【交番実習】 ページ34
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「そうか...生徒が変わった動きをすると気になってな」
「例え教官でも失礼だと思います。真矢もAも私を心配して...
特に真矢は力を貸してくれてるんだと信じてます
...失礼します」
敬礼をし、立ち去ろうとした私をもう一度教官は呼び止めた
「坂根のことで忘れていた。彼女が証言したんだ
なくなった三つの物は彼女が使っていた物だそうだ
ミットもマウスもマレットもここ二週間以内に彼女が使用している、
つまり坂根が触れた物を生徒の誰かが盗んだということになる」
「なら犯人は...？」
・
翌日の授業は交番実習
私は交番に務める警察官を演じ、拾った財布を届ける役を坂根さんが演じた
「すいません、これを拾ったんですけど...」
「少々お待ちください」
書類を取り出し、必要事項を記入しようとした私を教官は止めた
「ダメだ。応えてない
善意で持って来てくれている、それにちゃんと応えろ」
指摘を受けて慌てて立ち上がり、坂根さんに頭を下げて礼を言うと
教官は向かいの椅子をわざとらしく引いた
「あっ...どうぞ、お座りください」
「はい」
「特に子供やご年配の方には絶対に忘れるな」
「「はい」」
「続けろ」
「はい。...どこで拾われましたか？」
「すぐそこの児童公園です」
「公園のどの辺りで...？」
「ベンチの下です」
聞いたことを書類に記入していく
突如、この教場の中に盗難の犯人がいると思うと注意が散漫した
「どうした。相手を不安にさせるな」
「はい、申し訳ありません
...中身は何か入っていましたか？」
「はい、これだけです」
坂根さんは財布の中から10円玉を取り出し机の上に置いた
私は書類に‶財布 十円玉 一枚″と記入した
「違う。‶財布 十円玉 一枚″書き方が正しくない」
「どこがでしょうか...？」
「そんなこともわからないでよく警察官を目指しているな」
すぐに間違いを訂正することは出来ず、課題となった
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作者名：愛音
| 作成日時：2021年1月22日 18時
