【共通点】 ページ33
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side 遠野
授業を終えて屋上でハーモニカの練習をするめぐみの音色を真矢と聞いていた
「憎い相手、居たよ？」
私たちは‶誰？″と言うかのように不思議そうな顔をした
「誰にも言わないでね？...小さい時、男の人に公園のトイレに連れて行かれてイタズラされた
体触られたりして...顔とかは覚えてないんだけど、
ニュースで同じような事件見ると今もカッとなる」
一瞬真矢の視線が揺らいだのが分かった
「でもその時ね、おまわりさんが助けてくれたの。
交番連れてってくれて、手ギューって握ってくれて...もう大丈夫だよ、って」
そう言ってめぐみが真矢の手に触れると真矢はそれを拒否した
どうして？何か怪しい...
「あぁ...だからここに？」
「うん」
自信を持ってそう返事をしためぐみを見て真矢は自分の手を握りしめた。
side 忍野
真矢とAと別れて風間教官のところに足を運んだ
「忍野めぐみです」
「入れ」
「失礼します」
中に入るとすぐのところに教官の背中があって驚きながらも一歩下がり、敬礼をした
「何でしょうか」
「授業で測った脈拍だ。みんなに返しておいてくれ」
「わかりました」
敬礼をして立ち去ろうとした時、教官は私に尋ねた
「共通点は」
「...はい？」
「坂根が指名した三人の共通点だ」
「私を含め三人は紛失物の届け出をした者です」
「なかなか良い目をしているな。刑事を目指しているのか」
風間教官が褒めてくれたこと、将来のことを聞いてくれたことが嬉しかった
「志望は生活安全課です。性犯罪の防止を」
「...ところで、君は堂本と遠野に筋トレを教わっているそうだな」
「はい。それが何か...？」
「筋トレを教えることで二人は君に見返りを求めたか。特に堂本だ」
「見返り...？」
「コーチ代だ」
「そんなこと言われてません。どういうことですか...？
真矢はそんな人じゃありません！」
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作者名：愛音
| 作成日時：2021年1月22日 18時
