【鍵】 ページ22
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side 風間
昼休み、須賀副教官が妙なことを尋ねた
「風間教官、射撃場の鍵持ってます？」
「いや、持っていない」
「あれー、どこ行ったんだ？」
「失くしたのか」
「いやいや、返したのにないんですよね」
「返し忘れたのでは」
「私も須賀副教官が返すところを見ていました」
田澤もそう言い、教官室の中を全員で捜していると吉村が須賀副教官に提出物を渡し声を掛けた。
「あれ、射撃場の掃除もう終わったんですか？」
「掃除？何言ってんだお前」
「え、稲辺が『須賀副教官に頼まれて射撃場の床掃除だ』って、
人が足りないからって鳥羽さんと...遠野ちゃんも連れて行きましたけど...あれあれ？」
「いや、言ってない...」
遠野と鳥羽が稲辺に...？
気付けば私の足は射撃場に向かって走り始めていた
「教官！？吉村！お前もっと早く来いよ！」
「え、何で俺怒られてるんですか！？」
射撃場に足を踏み入れると鳥羽は拘束され怯える遠野に馬乗りになり、今にも襲おうとしている稲辺の姿があった。
「そこまで！！」
「お前ら何やってんだよ！！」
稲辺を須賀副教官に託し服装の乱れていた遠野に着ていたジャケットを掛けてやり少し待つように伝え、
耳から血を流していた鳥羽のところへ足を進めた
「助けて、ください...」
「動くな！！」
私はポケットからカッターを取り出すと鳥羽の耳とイヤーマフを切り離し教官室から応援の教官を呼び、遠野のところに戻った。
「ジッとしてろ」
『はい...』
手足の拘束を解いてやると彼女の体は少し震えていた
「頬に傷が出来ている。医務室へ向かえ」
『はい...あ、あの...教官...』
「何だ」
『腰が...抜けたようです...立ち上がることが出来ません...』
こんなことで腰が抜けていては警察官にはなれない、と伝えようとしたが
過去に彼女の身に起こったことを思い出して発言するのを止めた
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作者名：愛音
| 作成日時：2021年1月22日 18時
