教場Ⅱ (ページ21)

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【救世主】ページ21

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『鳥羽さん！』

「動くな！

...近寄らないで、僕以外の男の人に触れないでください」

『何言ってんの...？』

「僕、遠野さんに一目惚れしました。

遠野さんはアリバイ証言でもちゃんと僕のことを守ってくれた...

嬉しかったです

でも貴女は僕のことを全く見てくれない。貴女がいつも見ているのは教官だった。

...そんなに風間教官のことが好きですか？」

『待って...そんなんじゃ...

今ならまだ引き返せる、こういう卑怯な真似はやめにしない？』

「大丈夫です。射撃場なんて誰も来ませんよ」

『風間教官は...私が居なくなったら必ず捜しに来るよ』

「あれー、やっぱりそういう関係？でもいいです」

稲辺くんが徐々に私に迫ってきてついに壁際に追いやられてしまった

「大人しくしててね？」

そう言うと稲辺くんは私の両手足を鎖で拘束した

相手も警察官を目指す生徒だ。細工をしてもバレてしまうだろう

抵抗したら同期が危険な目に遭うかもしれない

私は大人しく彼に従うことしか出来なかった。

「いい子だね...」

稲辺くんは私の頭を撫でると次はジャージのチャックに手を掛けた

『嫌っ！！』

抵抗しようとした衝動で稲辺くんの爪が私の頬に引っかかり傷を作った

「シーッ、大人しくしててって言ったでしょ？鳥羽くんがどうなってもいいの？」

稲辺くんがチャックを下まで下した時だった

「そこまで！！」

「お前らここで何やってんだ！！」

風間教官と須賀副教官が射撃場に飛び込んできた

稲辺くんは副教官に連行され、外に連れ出された。

『きょ、教官...』

教官はジャケットを私に掛けると少し待っているように伝え、鳥羽さんのところに向かい

接着剤でくっつけられた耳とイヤーマフをカッターを使って切り離した

射撃場内には鳥羽さんの苦痛の叫び声が響いていた。