教場Ⅱ (ページ2)

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【警察学校】ページ2

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side 遠野

「以上、31名初任科短期課程第200期風間教場＿＿＿＿」

厳粛とした空気の中、共に入校をする同期の名前が次々と呼ばれていく

「遠野A！」

『はい！』

順番に私の名前も呼ばれ、学校長である四方田秀雄に敬礼をし着席する

「以上31名、辞令交付」

「学生気を付け！！」

副教官である須賀太一の一声で私たちは立ち上がり、

代表者が校長の元に辞令を受け取りに行くと

続いて忍野めぐみによる宣誓が行われた。

「宣誓！私は法律を忠実に擁護し、命令を遵守し、何者も恐れず、何者も憎まず、

良心のみに従い、公正中立に警察職務の遂行に当たることを固く誓います！！」

宣誓が終わると学校長から激励の言葉が述べられ、

教官と学生全員で記念撮影をして私たちはついに警察学校の学生となった。

「分かれ！！」

左右に分かれて退場を待っている時、指導員の宮坂定先輩が先を行く漆原くんに声を掛けた

「漆原」

「お疲れ様です」

「最初から出来る奴なんていない。俺もそうだった

全然ダメでさ...それでも卒業出来たから。

な？お前も頑張れ」

「はい。ありがとうございます...失礼します」

宮坂先輩ってよく周りを見ていて私たちにも優しく接してくれる

本当にいい人だなぁ...

そんな宮坂先輩に声を掛けたのは風間教官だった。

「あの生徒が気になるか」

「漆原ですか？はい...2年前の自分を見ているようで

あ、自分で大丈夫だったでしょうか？仮入校期間の指導員をやらせていただき...

ずっと緊張しっぱなしでした。

これから最初の授業ですよね？今日から交番勤務に復帰します

失礼します」

そう言って頭を下げると風間教官は式場をあとにしようとしたが、

そんな彼を先輩は呼び止めようとした。

「風間教官！良かったら一緒に...」

スマホを構え、ニカッと笑顔を作ると

今にも出て行こうとしている教官を指さしてシャッターを切った

何と言うか...健気

「あ...見てた？」

『宮坂先輩って...可愛いですよね』

「か、かわ...？」

卒業する頃には私にも余裕があったらいいなぁ

なんて思いながら教場へ向かった。