【教わったこと】 ページ39
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白石side
現場に向かってトリアージを行っていく
白石「この方先に運んでください!」
消防隊に指示を出した時、聞き馴染みのある声が耳に届いた
博文「橈骨動脈触れない、多分骨盤骨折だ
至急運んでくれ!」
それは頭から血を流し、左足を引きずりながら歩いている父だった。
白石「お父さん!」
博文「恵...」
すぐに父に駆け寄り声を掛けた
白石「怪我してるじゃない...何で体育館に行かなかったの!?」
博文「すまない...でも...
お父さん、医者だから」
その言葉に涙が溢れそうになった
桃田side
体育館同様、裁いても減らない患者に追われる
次の患者を探していると消防車にしがみつく男性を見つけた
「救命センターの桃田です。頭と腕、切ってますね」
処置しようと体に触れると彼は私の腕を振り払った。
よく見ると彼は酷く怯えていた
「落ち着いてください、どうしました?」
北村「息子だ...息子を置いてきた
あ...あの中に、見捨ててきたんだ、息子を!」
男性が指をさした先は沈下したばかりの飛行機だった。
第10回「岐路」完
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作者名:愛音 | 作成日時:2020年12月21日 15時