素敵な明日を願って...4 (ページ19)

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【メイク】ページ19

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田所side

妻が入れてくれたお茶を飲もうとして湯飲みをてにするも

上手く力が入らず倒してしまう

彼女は何事も無くお茶を淹れ直してくれたが

私は震える右手を見て途端に恐怖心に襲われた

田所「怖いな...自分が自分でなくなるのは

もう今までのように部下に偉そうなこと言う事もできなくなる...」

麗子「あの時と同じ顔、

あの島に行くのを決めた日と、」

そう言うと彼女は私の手を握った

麗子「大丈夫、私ついて行くから...どこにいても、」

あぁ...この人が居てくれてよかった

藍沢side

HCUの病床、青山さんは慣れない左手でメイクをしていたが

上手くいかず、苦戦していた

青山「会社の人が来るのよ、誰だかわかんなかったら困るから」

悲しそうにそう言う彼女を見て一旦離れ、アイツを探した

藍沢「桃田、」

「何？」

藍沢「メイクを頼みたい患者がいる、」

「メ、イク？そんなの私が教えてほしいんだけど...」

使えないな、と思っていると声を掛けられた

緋山「それ、私でもいい...？」

そう言った緋山と勉強も兼ねて桃田を引っ張った

緋山は慣れた手つきで青山さんにメイクを施した

青山「大丈夫...？」

藍沢「大丈夫です、」

「わぁー...すごい、素材が良いからメイクが映えますね！

緋山先生も腕がいい！」

大袈裟に褒め称えるアイツを病床から追い出し改めて伝えた

藍沢「外科医は手先が器用なんで、」

青山さんは緋山に感謝を述べた

緋山は少し嬉しそうに笑った

心の傷をいやす簡単な方法はない

ただ、こうも思う

心の傷はきっと必要なものだ

何故なら心に傷を負うことで、他人の痛みに気付けるようになれるから...