【母親失格】 ページ16
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藍沢side
オペが終了し、目を覚ました青山さんの麻痺検査を行うも
やはり彼女の右半身には麻痺が残ってしまった。
予測していたとはいえ、やっぱり辛かった。
翌朝、昨日までとは打って変わって暗い表情をしていた青山さん
彼女の机の上には障害者の福祉サービスのパンフレットが置かれていた
藍沢「今週中にもリハビリ施設に転院になります、」
青山「そう...」
藍沢「ご家族は...？」
青山「今朝の便で来るって...
やっぱり罰が当たったのかなぁ、」
彼女はそう呟いた
青山「今までほっといたくせに、急に一緒に住もうなんて言い出したから...
先生はお母さんと同居？」
藍沢「いえ、」
青山「お母さん、一人暮らし？」
藍沢「...死にました、6歳の時」
そう言うと申し訳なさそうに謝罪した
藍沢「どうして急に、子どもと住もうと？」
俺はそう尋ねた
青山「子どもがね、大人になるのはあっという間なの...
男の子は18くらいになれば家を出ていく
先生もそうだったでしょ？」
藍沢「えぇ、」
青山「仕事に夢中でさ、好き勝手やってたら
気が付かないうちに一樹、9歳になってた...
18年の半分が過ぎてた...
バカだったなって漸く気付いた
人生は長いけど子ども一緒に過ごせる時間はすごく短い。
子どもにしたら何年もほったらかしといて、母親失格だってことはわかってる」
携帯電話を取り出し、落としてしまった彼女に拾って渡すと
ホーム画面を見て幸せそうに笑った
青山「なのに良い子なの...
こんな私にも優しいの...」
昔の俺と重なって見えた
隣の病床で患者の処置をしていると母親と一樹くんが到着した
青山「一樹、よく聞いて？」
一樹「何？」
青山「やっぱり...一緒に暮らせないわ、お母さん」
一樹「えっ？」
2人の顔が曇った
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作者名：愛音
| 作成日時：2020年12月21日 15時
