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【距離】 ページ11

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三井side




相談室で部長のMRI画像を見ながら治療の方針を話し合っていた




西条「脳幹の圧迫が酷くなってるな...」




橘「オペの見通しはどうですか?


クリッピングじゃ無理ですか?」




西条「この位置じゃかけられない、」




パソコンの画面に表示された画像を指しながら西条先生はそう言った




西条「トラッピングを試してみるが3本すべての血管を遮断できるかわからない、」




橘「無理に血栓を取ろうとすると大出血の可能性が高い、ってことですか...」




ナースステーションに戻ると書類作業をする緋山が居た




三井「田上さん、中心性頸髄損だったって?」




そう尋ねた私に彼女は『白石に聞いてください、』と突き放した




緋山「患者と距離を置け、入れ込み過ぎるな...


全部橘先生から言われてたことなのに...」




彼女は力なく笑った




緋山「どうやったら橘先生みたいになれるんですかね?」




三井「...なりたくてなったんじゃない、


ああなるしかなかったの、あの人は」




一番近くで見ていた私だからわかることだった。




緋山「部長の容態は?」




三井「安定してる。心配してたわ、あなたのこと」




そう返して私も書類に向きなおった。

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作者名:愛音 | 作成日時:2020年12月21日 15時

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