【志望先】 ページ39
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白石side
田所部長に呼ばれて部長室に足を運んだ。
白石「失礼します、」
足を踏み入れて驚いた。ソファーにはお父さんの姿、
田所「さっきお見えになられてね、講演会で近くまで来られたそうだ」
この間の『近くで講演会があるから会おう、』って電話、本気だったんだ...
そんなお父さんの向かいに腰を下ろす
博文「東都大学の循環器外科だ。
フェローを終了した暁には東都大へ行くんだ、」
突然そんなことを言われても頭が整理できない。
白石「ちょっと待って。わざわざそれを言いに来たの？」
博文「あぁ、」
信じられない...
白石「おかしいよ、お父さん
何で勝手に決めるわけ？一言の相談もなしに...
自分の進路は自分で決める。子どもじゃないのよ、もう...」
博文「お前が心配で、」
白石「お父さん本当に変わった。
前はそんなんじゃなかった...
心配？自分の好きなようにしたいだけでしょ？
ホントのこと言ったら？」
良いように言葉を選んでそう言った彼に腹が立ち、部長に頭を下げてその場を去った。
藤川side
食堂で昼食を摂る俺の手元にはフェローシップ修了後、進路調査の用紙
藤川「うーん...産婦人科、うーん...」
頭を悩ませる俺の向かいに座ったのは緋山だった。
藤川「おっ、どう？ICUの翼くん、
脳死説明したの？あのお母さんに、」
緋山「したけど、まだ理解できないみたい」
無理もないよな、息子の脳死なんて...
藤川「まぁ、あの状態じゃなぁ...旦那とは離婚してんだっけ？」
緋山「うん...あ、何？卒業後の進路？」
藤川「何科にしようかなーって...決めた？」
そう尋ねると緋山も『まだ、』と答えた。
緋山「アンタ、どういう医者になる気？」
藤川「俺？強いて言うなら...スーパードクターかな」
緋山「卒業心配した方がいいね、先に」
被せ気味に、かつ冷静にそう返された。
分かってるよ...
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作者名：愛音
| 作成日時：2020年11月19日 10時
