素敵な明日を願って...2 (ページ21)

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【カウントダウン】ページ21

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医者は患者を治すためにあらゆる手を尽くす

ありったけの経験と知識と腕を総動員して

何とか患者を死の淵から引きずり戻そうとする

そして、全ての努力の後知る

それでも助けられないこともある、と_______________

桃田side

田沢「SpO2...SpO2は...幾つ？」

冴島「89よ、」

そう言うと彼は『そろそろか、』と言った。

冴島「運ぶわ、個室」

もう時間は残されていなかった。

藍沢side

静まり返った夜の病院、同じく当直の桃田が電話をしていた。

「正面玄関横に時間外受付がありますので、そこから入ってきていただければ...

はい、3Dという病室です」

藍沢「...ご両親か？」

「うん、今向かってる」

最期の時を見送るために田沢さんを個室に移す

鳴りやまない警告音を橘先生が止めた時、彼は苦しそうに口呼吸をしていた。

それでも当直の俺はずっとここには居られない。

PHSが鳴って、白車を受けに走った。

辻「上野未来ちゃん、7歳。中澤町の国道脇の草むらにしゃがみ込んでいるところを保護されたそうです。」

藍沢「名前言えるかな？」

ナース「血圧105の82、SpO2 98、体温は34.8℃です。

頭部、胸部、大腿部の打撲痕です」

アルミシートを外した下で未来ちゃんは犬のぬいぐるみを大事そうに抱えていた。

救急隊「どうしても離さないんです、」

藍沢「家族は？」

救急隊「今警察の方に身元の確認してます、」

処置を行うに当たってぬいぐるみは退けてもらうしかなかった。

辻「未来ちゃん、検査しなきゃいけないからこれ置いとくね」

辻さんがそう言うも、彼女は拒んだ。

藍沢「もういい、左でライン取る」

辻「わかりました、」

三井「どう？」

藍沢「体温、36.0℃まで上がってきました」

三井「OK、CTお願いね」

三井先生も到着した時、警察と連絡を取っていた藤川が初療室に戻ってきた。

藤川「警察から連絡きました。清風園という児童養護施設の子らしいです、

施設から抜け出したみたいです。今先生がこっちに向かってると、」

藍沢「親は？」

藤川「いないらしい、」

そんな彼女の身体には打撲痕が目立ち、話を聞いてみることにした。