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【二人きりの当直】 ページ9

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白石side




森本先生から告げられたのは今晩の当直は藤川先生と二人きり、




シニアドクターは居ない、ということだった。




桃田先生か藍沢先生とならまだしも、選りによって藤川先生とか




先が思いやられる...




藤川「いやぁ、患者に頼られすぎるってのは考えもんだねぇ」




彼はそんなことも知らずに呑気に私の肩に手を置いて自慢そうにそう言った。




そんな彼の背中には‶バカ″と書かれた紙が貼られていた




今朝外来に来てた子どもたちに貼られたのかな...?




白石「はぁ...」




誰か当直代わってよ...




緋山side




食堂で白石が‶当直医マニュアル″と書かれた分厚い本とにらめっこをしていた。




はぁ、どこまでも真面目な子




そんなに教科書通りにしないと気が済まないのかな?




私とはやっぱり気が合わない。




緋山「ひょっとして今晩の当直、緊張してる?」




白石「ま、まさかぁ」




緋山「そうだよね。まぁ、実質一人当直だけど、」




白石の当直のお相手は藤川




今日ツイてないのは白石だったみたい。




そんな藤川がヘラヘラしながら私たちのテーブルにやって来た。




藤川「大丈夫、大丈夫!俺がついてるよ!」




藤川の背中には‶バカ″と書かれた紙も付いていた。




緋山「そうねぇ、こういうのも付いてるけどねー」




その紙を取って藤川に渡した。




藤川「あ!アイツら...」




白石「あ、雪村さん大丈夫だった?」




藤川「あぁ、俺がストーカー野郎にビシッと話付けたよ!


そっちは?弁護士だっけ?」




緋山「茎捻転、急変の可能性もあるからその場合はうちでオペ」




藤川が羨ましそうに『いいなぁ、』と返した。




緋山「そっちは?若年性認知症なの?」




白石「いや、多分一過性のせん妄だと思うんだけど...」




藤川「そう言えば、藍沢と桃田の転落男も大変らしいよ?」




多分、後ろに藍沢と桃田が居るなんて知らないんだろうな...




なんて思っていると二人のPHSが鳴り二人とも溜息をついていた。




この二人、面白いくらいに息ピッタリだわ(笑)




藍沢「お前、代わりに行く?行くぞ、」




「えー...」




私たちのテーブルに昼食を置き去りにして藍沢はスタスタと




桃田はトボトボと藍沢の背中を追いかけた。

【傷】→←【高所転落】



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作者名:愛音 | 作成日時:2020年7月4日 12時

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