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【先生のおかげ】 ページ45

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藤川side




俺と宮本さんが退院して2つの病床が空いた。




スクラブに着替えて宮本さんが居た病床を訪れると




そこには写真が1枚、彼が仕事もプライベートも全盛期の写真だった。




田所「やっぱり、ユニホームが一番ですね」




藤川「田所部長...


すいません、ご迷惑をおかけしました...」




田所「無事回復、何よりです」




藤川「いつも役に立たなくてすいません...」




そう頭を下げた俺を見て田所部長は不思議そうに笑った。




田所「何言ってるんです、


藤川先生は寝ていながら患者さんを治療した」




全く身に覚えがなくて聞き返した




田所「ミュンヒハウゼン症候群の患者さんは


追い詰めるとエスカレートする場合が多い。


聞きましたよ?藤川先生の一言が患者さんの心を溶かし、


偽りの病気を認めさせた。


まぁ、簡単には治らないでしょうけど


少なくとも暫くやらないでしょう。


先生のお陰です、」




その一言が何よりも嬉しかった。




桃田side




一日の終わり、医局の掲示板には空床3の文字




「結局元に戻っただけ、か(笑)」




藤川先生を探している途中で自販機の前で




死んだような顔をした白石先生と緋山先生が座っていた。




白石「何やってんだろ、私


まんまと騙されてた...」




緋山「私も...


結局何も出来なかった」




そこにこれまた暗い顔をした藤川先生も加わった




藤川「聞いた?


しょうがねぇよ、黒田の奴


俺ヘリに乗せないんだって。


ありゃ俺が怖いんだなぁ、嫉妬だよ。中年の嫉妬、」




「じゃあ辞めるの?」




藤川「辞めねぇよ。


決めた、アイツに引導を渡すのが俺の仕事だ。」

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作者名:愛音 | 作成日時:2020年7月4日 12時

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