答えようもない問いかけ2 (ページ32)

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【勘違い】ページ32

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桃田side

藍沢先生に言われて自販機の前で腰を下ろしていた藤川先生のお母さん、と言う人に

さっきの藤川先生の話を伝えた。

藤川母「それで、一男は！？」

「大丈夫です。心室細動と言って、簡単に言えば心臓が痙攣を起こしたんです。

でももう回復されてます。まぁ、念のため1日2日は入院になると思いますけど...」

そう言うと母親は肩を下ろした。

「病室は...」

藤川母「あぁ、いいんですいいんです！

こっそり元気な姿を見に来ただけですから...」

だとしたら相当運が悪いね

元気どころか心停止と被っちゃうなんて...

なんて思っていたら首からぶら下げた名札を見て

『あなたが桃田さん！？』と言われて手を握られた。

藤川母「いつもあの子にはよくして頂いて...

聞いてます、随分仲良くしてもらってるって。ありがとう、」

「...は？」

思わず後ろで壁にもたれている藍沢先生を見てしまった。

思い当たる節がないのか、彼も首を傾げた。

藤川母「患者さんからの差し入れもいつもこっそり僕にだけくれるんだよ、って

あぁ、そうだ！お土産どっちがいいかな？」

こういう時ってどうすればいいの？

ホントのことを言った方が良いのか、

でもそんなこと言われたらお母さんビックリしちゃうよね？

息子が入院した、ってだけでもビックリなのに

壮大な嘘をつかれてたなんて知ったら...やっぱり倒れちゃう？

助けを求めてもう一度藍沢先生を見ると資料とにらめっこをしていた。

あぁ...

黒田先生に患者追い出すように言われたんだっけ？

ダメだ、こりゃ。