【いつも早とちり】 ページ27
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「何、白石先生に先越されたの気にしてるの？」
そう尋ねると彼女はため息をついた。
「焦らなくてもいいんじゃない？」
藤川「そうだよ、俺はお前のこと買ってるよ？」
一度もヘリに乗ったことのない藤川先生に言われてもなぁ、
と思って緋山先生を見ると彼女も鬱陶しそうに彼を睨んでいた。
藤川「ホント言うとさ、ここだけの話だよ？
俺、白石よりお前の方が出来ると思ってる。
お前に後必要なのは自信だけだ
俺だって太鼓判推すよ...」
緋山「全然嬉しくないのは何故！？それに何奢ってくれちゃってんの！？」
「私ブラック飲めないんだけど、」
藤川「何だよ、お子様だなぁ」
「うるさい、」
藤川「呼ばれたんだよ、黒田に。
『話がある、』って、」
緋山「嘘...」
藤川「ついにフライトドクターだ！
最終兵器がベールを脱ぐときが来たんだよ...」
藤川先生がそう言った時、私たちのPHSが鳴った。
藤川「救急車か...
ヘリの前に軽く腕ならしだなぁ...行くぞ！」
嬉しそうに駆けていく藤川先生の背中を目で追い、緋山先生に目線を戻すと
彼女は思いつめた表情をしていた。
「ねぇ、思い出してみて
彼が初めて担当した患者、栗山美樹さん。
彼女に指名されてウキウキで彼女の下を訪れたけど
指名された理由は『私か藍沢先生だと恥ずかしいから』
その次に指名された雪村南さん、
彼女が彼を指名した理由は
『あなたならストーカーの気持ちがわかりそうだから』
いつも藤川先生の早とちりなんだよ。
まだ黒田先生に言われたわけじゃない、
焦る必要はないんじゃない？」
緋山「...それって励ましてる？」
「まぁ、一応？」
緋山「余計なお世話。行くよ、」
「はーい、」
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作者名：愛音
| 作成日時：2020年7月4日 12時
