【命を救った】 ページ22
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黒田「お前らの腕は最低だなぁ、」
おっと、いきなり説教か...
黒田「藍沢、腹の開け方
剣状突起から恥骨上まで思いきって正中切開しろ。
あれじゃあ見えるもんも見えん
...桃田と緋山、」
「「はい、」」
黒田「視野の取り方が上手ければもっと早く出血個所が見つかったはずだ。
...白石、
FFPのタイミングも悪いしもっと患者の体温に気を配れ。
...藤川、
腸管寄せたのはお前だろう。力入りすぎだ、少し裂けてた」
黒田先生の言葉に藤川と白石が『すいません、』と頭を下げた。
黒田「何で謝る、
お前ら命を救った、謝る必要はない」
そう言い残して黒田先生はエレベーターを降りた
緋山「今の...」
白石「もしかして...褒めた？」
藤川「褒めたよ、おい！
アイツなりに俺らを認めたんだよ！」
最後まで反対してた藤川が一番喜んでるのが可笑しかった。
桃田side
眠い目を擦りながら少し風に当たろうと屋上に向かうと
黒田先生と藍沢先生の姿があった。
黒田「何か用か。
患者はな、お前らの練習台じゃない」
藍沢「黒田先生まで綺麗事言わないでください
先生だって散々切りまくってきたんでしょ？
危険な賭けもいっぱいしてきたはずです。
外科医は練習が全て
ピアニストやスポーツ選手と同じように
違いますか？」
藍沢先生からの問いに黒田先生は少し間をおいて『その通りだよ、』と返した。
黒田「ただ一つ、その練習台が生身の人間だってことを除けばな。
...好きにやれ、
ただし賭けには勝ち続けろ。
一度でも負けたらお前の医者としてのキャリアは終わりだ。
患者の死はな、患者や家族だけじゃない。
医者の人生を変える」
立ち去る黒田先生の背中を目で追った。
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作者名：愛音
| 作成日時：2020年7月4日 12時
