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【医者と弁護士】 ページ16

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緋山side




1時も過ぎている、というのに彼女の病床からは明かりが漏れていた




緋山「何やっているんですか?」




他の患者の迷惑にならないようにそっと声を掛けた




緋山「寝てください。ていうか仕事はもう辞めてください、


安静が必要なんですよ?」




ベッドサイドの照明を消すと漸く彼女の手が止まった。




でもすぐに再び灯りが灯る




若杉「一人前の医者みたいな口聞いて


あ、そうそう。さっきちょっと聞いたんだけど、


あなた嘘ついてヘリコプター乗ったんだって?」




緋山「...誰に聞いたんですか、」




若杉「言えない、守秘義務」




藍沢と桃田は他人に興味はなさそうだし、となると白石か藤川




可能性が高そうなのは藤川、ってところね...




若杉「何とか私の手術に入って汚名返上図ってるんでしょ?」




緋山「...本当に少しぐらい仕事休んだらどうですか?


そんな無理してたら悪化しますよ、」




若杉「それを待ってるくせに、」




今のはホントに心配して言ったのに




若杉「いいの、わかってる。


医者と弁護士似てるもん。


人の不幸が飯のタネ、それでいてちょっと使命感もあったりする。


成功して当たり前、失敗したら恨まれる


ホント、報われない仕事よね...」




若杉さんの言ったことは確かにそうで




一瞬、何で医者なんかやってるんだろう




そう思いさえした。

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作者名:愛音 | 作成日時:2020年7月4日 12時

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