【フェローだけ】 ページ13
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桃田side
藍沢先生からの呼び出しを受けて初療室に走る
ストレッチャーには藤川先生の担当患者...のストーカー、
小野寺さんが横たわり、その胸にはナイフが刺さっていた。
藤川「自分で胸を刺しました...！！」
森本「絶対抜くなよ、丁寧にね」
「「1、2、3！！」」
初療台に移してFASTと輸液の準備、それからルートも確保する
三井「右の呼吸音が弱いわ、」
藍沢「FASTネガティブです、」
黒田「デンジャラスゾーンは外れてるな、
テストチューブは32フレンチ、」
「「はい、」」
迅速な対応とシニアドクターの的確な処置もあって
何とか彼は命を落とさずに済んだ。
午後9時前の医局、小野寺さんのオペから黒田先生が戻ってきた。
藤川「あの、包丁の人は...？」
黒田「気胸だけで済んだのがラッキーだった。
後は感染さえ注意すれば大丈夫だろう、
桃田、お前があの患者担当しろ」
えぇ、マジか...ストーカーでしょ？
「...はい、」
黒田先生は時刻を確認し、一つ息をつくと
『当直頼んだぞ、』とだけ言って医局を出て行った。
黒田先生がフェローだけに当直を任せるなんて珍しい...
お昼に森本先生から話を聞いた時は反対してるって言ってたのに...
気が変わったのかな？
そんなことも知らず、
藤川先生は同じ当直の白石先生に『よろしく！』と親指を立てた。
「夜中に起き出して雪村さんの所に行く、って可能性は？」
藍沢「無きにしも非ず、だな」
「それって一晩中見張っとけ、ってこと？
それじゃあ帰れないじゃん...」
藍沢「誰が帰っていい、って言った？」
「...あの話、本当だったの？
ちょっと...巻き込まないでよ、」
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作者名：愛音
| 作成日時：2020年7月4日 12時
