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【必要な処置】 ページ42

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緋山side




傷病者で溢れたコンコースから外に運び出して




私は屋外でトリアージを行っていた。




緋山「骨盤腔に液体貯留があるな...


でも、とりあえず循環は落ち着いてる」




そう言うと患者は元気に安堵の声を漏らした。




斎藤「よかったー!


私ね、生まれてから怪我らしい怪我ってしたことないの。


だから怖くて...ねぇ、これ取ってくれる?」




そう言って彼女は苦しそうに酸素マスクと頭部固定バンドを外そうとした。




緋山「ダメよ、1回気を失ってるんだから


これから病院に行って詳しく検査する」




それを聞いて彼女は子どものように病院に行くことを拒否した。




と、その時PHSが鳴り私はコンコースに戻った。




桃田side




母親の後を追って息子さんの元へと向かい、すぐに接触を始めた。




「左の呼吸音、低下してる...」




冴島「気胸ですか?」




「うん...チェストチューブ用意して、」




冴島さんに指示を出して私はご両親にこれから行う処置の説明をした。




「上条さん、胸腔ドレナージといって一刻も早く敏明さんの胸にチューブを入れて


溜まった空気を抜いてあげないと心臓が止まってしまいます。」




久枝「胸!?でも敏明、胸になんか全然怪我してないじゃない、」




「すいません、詳しく説明している暇がないんです。モタモタしてる時間がないので、」




冴島さんが敏明さんの胸に消毒液をかけると母親は取り乱した。




久枝「何やってんの、アンタ達!」




それでも処置を辞めない私たちに割って入り、彼女を落ち着かせたのは緋山先生だった。




緋山「落ち着いてください。


ホント、アンタも白石もこうと決めたら周りが見えなくなるんだから...」





そう口にした彼女に母親は不安そうな表情をした。




緋山「必要な処置なんで、」




緋山先生が居てくれてよかった...




「メス、」

【まさか...】→←【彼女】



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作者名:愛音 | 作成日時:2020年10月30日 10時

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