素敵な明日を願って...1 (ページ37)

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人は何故本当のことを知りたがるだろう？

「いい結果をもたらす嘘は不幸をもたらす真実よりいい」

昔読んだ本の一節だ。

なのに人は真実を知りたがる

そして不幸が始まる_______________

藍沢side

面会者記録の‶山田一郎″の文字、

最近彼は頻繁にばあちゃんの元を訪れている

今日こそ彼が誰なのか、そして昨日のうわ言の真相を突き止めるために昼食中のばあちゃんの病室を訪れた。

絹江「随分良くなってきたよ、

だからね、お前ももうそんなに来てくれなくてもいいから、」

藍沢「母さんって胃がんで死んだんだよな？

うわ言で『殺した、』って言ってたけど、何？」

そう尋ねるとばあちゃんの手が止まった。

藍沢「山田一郎って？」

ばあちゃんの右手が震え始める

もう少しで答えを聞けそうだったのに、それはPHSによって遮られた。

緋山side

神岡「肺静脈とサッシンカンに異常電導路があるね、

やっぱりカテーテルで切っちゃう方がいいでしょ

2時間ほどで済みますよ、」

お昼休み、心臓外科の外来を訪れると

心外の神岡先生からそう診察された。

緋山「あの、回復率って確か...」

神岡「65％ぐらいです。悪くない数字でしょ？」

そう言いながら彼は私に同意書を渡した。

確かに一般的には65％は悪い数字ではない

でも救命医にとったら...？

資料を抱えエレベーターに乗ろうとすると、中には白石と桃田が居た。

...厄介なのが一人居る、

白石「それで？カテーテルで焼き切るの？」

資料を隠したもののやっぱり白石はその話をしてきた。

緋山「勝手に決めないでよ。まだわかんない、」

白石「教えてよ、日取り」

緋山「すぐ切りたがる、

財前教授、『白い巨塔』」

あの人にそっくりだ。