【遅かった...】 ページ12
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藍沢「急速復温だ、それから加温した輸液を」
冴島「はい、」
白石「瞳孔の左右差なし、」
藤川「全然戻ってないぞ...PCPSは?」
辻「PCPSの細いカテがありません、」
藤川「何?」
「あっても無理、子どもだし動脈が細すぎて確保出来ない」
白石「ライン取れない...」
「反対に回ってみて、」
焦る気持ちを押さえて冷静に対処していく
藍沢「何分経った?」
冴島「40分です、」
もう時間がない...
残された手段は一つ、
「開胸しよう、」
藤川「開胸?」
「開胸したままお湯の中につけて胸腔内に直接温水を流せば
内と外から同時にあったまる、それでどうになならない?」
藍沢「そうだな...」
藤川「嘘だろ?そんな症例あんのかよ」
準備を始めた私たちに白石先生がすかさず口を開いた
白石「セントラルコロンビア大である、
8歳の子がそれでリカバー出来たって、」
藍沢「心肺停止だ、これ以上悪くなることはない」
バスタブの空きを確認し、お湯を溜めるように指示を出して開胸を行う
藍沢「メス、」
直接心マを行いながら男の子をバスタブに移動する
藍沢「何分経ってる?」
冴島「60分です、」
藤川「時間経ちすぎだ...」
藍沢side
開胸してから体温が30℃に戻るまでは早かった
冴島「31℃まで復温してます、」
僅かな感覚を頼りに心マを行う
藍沢「VF出た、」
「除細動の準備、」
再びストレッチャーに移して除細動を行う
戻って来い...
俺たちの願いが通じたのか、心拍は再開した
それでもすぐさま瞳孔の確認を行ったアイツの顔色が曇った。
藍沢「どうした、」
「瞳孔、開いたまま...対光反射もない、」
植物状態、か...
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作者名:愛音 | 作成日時:2020年10月30日 10時