【最悪の事態】 ページ49
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藍沢side
何とか患者をコンコースまで運ぶと
待っていたのは大量の負傷者だった。
新海「藍沢、頭蓋骨骨折で出血が酷い。
骨も陥没してる、手伝ってくれ」
新海に呼ばれて隣の患者に駆け寄る
藍沢「脳を圧迫している骨を除去する、
そっちは静脈道から出血源探ってくれ」
新海「わかってる、」
Aの無事を祈りながらも今は目の前の患者に向き合い、ひたすら手を動かす
患者の幹部から瓦礫を取り除いた時、
スマホを片手に呆然と立ち尽くす白石が見えた。
藍沢「白石、どうした」
今にも泣き出しそうな顔で彼女は言った。
白石「桃田先生が...埋まってるって...」
恐れていた最悪の事態に言葉を失った。
冴島side
レスキューに案内された場所に向かうと私はその光景に絶望した。
Aの小さな身体に大きな瓦礫が圧し掛かっている。
かろうじて意識はあり、ゆっくりと目線を動かし私を見つけると
彼女はいつもの笑顔を見せた。
「はる、ちゃん...ごめ、んね、(笑)」
涙が零れそうになるの堪え、私は彼女に駆け寄った。
冴島「Aっ...！！」
「他の、みんなは...無事...？」
冴島「みんな無事よ？自分の心配をしなさい！
心配したんだからね！！」
「ははっ...ごめん、ごめん...
シーバーも、PHSも、壊れちゃって...
こんなの、大したこと、ないよ...」
そんなことを言って無理をしているのはわかっている
こんな時ぐらい弱音を吐いて私たちを頼ってほしいものだけど
そうしないところが彼女らしい。
冴島「死んじゃダメよ、」
「大袈裟だよぉ、(笑)」
必ずみんなの所に戻る、
Aと一緒に
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作者名：愛音
x他1人 | 作成日時：2020年5月29日 17時
