【勇敢な医者】 ページ38
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桃田side
ヘリを降りてただ走り続ける
辿り着いたコンコースは負傷者で溢れ、現場は取り乱していた。
消防「下の線路内に降りてもらえますか?重傷者をここまで上げられないんです、」
「わかりました、」
そう返事をして藤川先生と冴島さんと別れ、私たちはもう一つ下の階に向かった。
「私は奥に行く、何かあったら連絡して」
藍沢「あぁ、」
藍沢先生と別れて私は線路の奥へと足を進めた。
このあと、あんなことになるなんてこの時はまだ誰も知らなかった。
藤川side
消防から現場の状況と負傷者の数を聞き、ヘリで向かっている白石に連絡を入れる。
にしても負傷者300人は多すぎだ...
藤川「すぐに別の医者が来ます、俺も下に行きます」
近くにいた救急隊にそう伝え、近くにいた患者の処置をしながら
フォローをしているはるかに指示を出す。
藤川「はるかはここで白石の指示を待って、」
そう言うと処置をしながらはるかは口を開いた。
冴島「行かなくていい、」
藤川「えっ?」
冴島「あなたは勇敢な医者になんかならないで。
危ない現場は他の先生に任せればいい、」
アイツらも下に向かっているのに、か?
少なくとも同じ気持ちだと思う。
藤川「何言ってんだよ、
はるからしくないこと言うなよ(笑)」
笑って見せたけど彼女は顔色を変えずに続けた。
冴島「大切な人を失うのは二度で十分、」
その言葉から冗談じゃないことぐらいはわかった。
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作者名:愛音 x他1人 | 作成日時:2020年5月29日 17時