その柔らかな笑顔に触れて...4 (ページ31)

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【急変】ページ31

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灰谷「精神科に行ってカウンセリングも受けています

自分でも克服したい、っていう気持ちはあるんです。」

白石「うん...やるべきことはやってると思う、」

灰谷「でもいざ現場とやり取りしようとすると

身体も口も動かなくなる...

このままじゃ...また取り返しのつかないことをしてしまうかもしれません...

ヘリ担当から外してください、」

『お願いします、』と灰谷先生は頭を下げた。

藍沢side

運ばれてきた時から気になっていた両角さんの頭部CTを新海に見せた。

藍沢「14年前の胸髄損傷の時に頭蓋骨も骨折している

その時の骨折線がSSSを横断している、」

新海「...確かに、小さな出血にも見えるな

だがこれだけでSSSからの出血を疑うのは考え過ぎじゃないか？」

藍沢「そうか、」

新海「とは言っても、

お前はもう俺の言う事なんか信じられないか...」

新海は力なく笑った。

天野奏のことを言っているのだろう

藍沢「そんなことはない、」

そう言った時、PHSが音を鳴らした。

藍沢「どうした、」

言っていた側だ、Aから両角さんの急変を告げられたのは

新海とICUに走った。

「5分前に突然意識を失った、サチュレーションも低下してる」

新海「瞳孔不動だ、脳出血しているかもしれない

出血がお前の読み通りなら止血は難しいな、」

藍沢「それでも頭を開けるしかない、挿管してオペ室に運ぼう

SSS直上の頭蓋骨は残して開頭する。新海、その骨にテンティングしてくれ」

新海「わかった、多めにやる。もしダメならパッチグラフトをやる」

すぐさま両角さんの緊急オペが始まった。

白石「脳出血って？骨盤骨折だけだったでしょ？」

藍沢「14年前の事故が原因だ。

当時保たれていたSSSの癒着が今回の骨盤骨折の衝撃で剥がれた」

白石「えっ？」

「当時は幸い損傷部位が自然に塞がってたんだって、」

白石「でも...SSSってことは...」

新海「一度出血すると止めるのは不可能に近い、」

新海の言葉通り、出血は止まらない。

藍沢「脳の前半分は諦めよう

白石、トロラール・ベイン避けて支えてくれ」

白石「わかった、」

あらゆる手を尽くそうとするもそう簡単には行かない。