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【エース】 ページ27

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橘side




井上「15時までに移植ネットワークに連絡しなければ、


心臓は待機リストの2位の患者の所に行く」




俺たちは祐輔が移植を拒んでいることを井上に伝えた。




タイムリミットは1時間、それはどうにも替えることができない。




三井「移植後の生活を想像して嫌がってるのかしら...」




俺たちはいくら考えても何故祐輔が移植を受けないのか理由がわからなかった。




井上「確かに、


移植してからの人生の方が長い。免疫抑制剤の投与やそれに伴う癌のリスク


移植が上手くいっても普通の子どもよりもずっと過酷な人生が待っている。


でもそれも生きていてこそだ。祐輔くんは強いし賢い。


ただ大変だからという理由で両親との別れを選んだりするとは思えない。


あと50分ある、祐輔くんとしっかり話せ。


何としても移植手術を受けさせるんだ、」




白石side




ICUの両角さんのベッドの側、藍沢先生はタブレットで頭部CTを見ていた。




白石「CTのボーンイメージ、気になる?」




藍沢「...いや、」




藍沢先生と目を合わせた時、両角さんの名前を呼ぶ声が聞こえた。




声の主は面会にやって来たチームメイトの豊田さんだった。




両角「試合、どうだった?」




豊田「平野が3ゴール上げた、勝ったよ」




両角「そうか、あぁよかったー


...何だよ、」




豊田「結局お前は無得点だぞ、この試合」




両角「チームが勝てればそれでいいんだよ、」




豊田「昔のお前からじゃ考えられないな、」




両角「そうか?」




豊田「まぁいい。とにかく12月までに治せ、


エース不在じゃ日本選手権は戦えない。」




両角「おぉ、任せとけ」




両角さんがそう言うと豊田さんは私たちに『よろしくお願いします、』と




頭を下げてICUを後にした。

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作者名:愛音 x他1人 | 作成日時:2020年5月29日 17時

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