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【期待させないで...】 ページ3

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二人のことを考えていたら急に体が動いて勢いよくドアが開いた。




緒方「こんな時ぐらい自分の心配しろよ!」




半分ガウンを着た状態の緒方さんが病室の中に入って来た。




緋山「バカなの!?聞いてた!?致死率80%なんだよ!?死にたいわけ!?」




緒方「まぁ...それもアリかな、って思っちゃってさ(笑)


緋山先生と一緒ならそれもアリかな...って」




真剣な彼の言葉と表情に言葉を失ったものの




すぐに我に返りとりあえず全開の病室のドアを閉めた。




だから変な期待させないでよ...




緒方さんにガウンを着せながら話の続きをした。




緒方「どうせ家族にも連絡してないんだろ?心配かけたくないとか言って...


俺が居てやるよ。リハビリ終わって飯食ったらあとは暇だし、」




緋山「怖くないの...?」




自分の口から出た言葉は想像以上に弱々しいものだった。




緒方「怖いよ、


こんな身体になっても生きていたい、とは一応思うしね」




緋山「じゃあどうしてよ、」




緒方「...怖いだろうな、って思うから


緋山先生は俺よりずっと怖いはずだ。だけどそうは言わない。


針刺したのが可愛がってる後輩だから...


不安な顔すればアイツが余計追い込まれる。それを見た桃田先生たちも不安になる。


でも心の底じゃ誰かに傍に居てほしいと思っているはずだ。


だったら俺が居てやりたい。緋山先生が俺を勇気づけてくれたみたいに


今度は俺が少しでも緋山先生の不安を和らげてやりたい。」




緒方さんの心強い言葉、全てを見透かされた言葉に涙が流れた。




その後私たちは沢山会話を交わした。




緒方「明日晩飯食おう、二人で」




緋山「えっ?(笑)」




緒方「昼には検査結果出るんだろ?


明日緋山先生は何もなかった、ってわかって俺と一緒に飯を食う。


どう?


...デートだな。初デート」




緋山「デートじゃないから、ご飯行くだけだから(笑)」




そう言いながらも自分でも頬が緩んでいるのがわかる




あぁ、やっぱりこの人が好きだ。




緒方「夜の7時、病院のコンビニで」




緋山「またコンビニ!?」




緒方「絶対来いよ?」




緋山「...わかった、(笑)」




そう言うと緒方さんは自分の病室に戻っていった。

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作者名:愛音 x他1人 | 作成日時:2020年5月29日 17時

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