【不機嫌なモノノケ庵】過去の住人 (ページ11)

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１１話ページ11

その日から私は晋助の所によく行くようになっていた

晋助「お前また来たのか」

「えぇ晋助に会いに来た」

彼の神社はここら辺では有名な場所だった

参拝客も多く私もよく晋助の手伝いをしていた

ある日いつも通り晋助の元に来ていた私は

ふと晋助に聞いてみたくなった

「ねぇ晋助は私のこと何も聞かないの？」

晋助「どうしたいきなり」

「こんな見ず知らずの女が神社に入り浸るなんて変だと思わないの？」

私は知ってほしくなってしまった

晋助にもっと自分のことを

だけど私は妖怪

知ってしまえば晋助は離れていくかもしれなかった

それでも知ってほしいと思ってしまった

晋助「最初から普通の女だとは思っちゃいなかったさ」

「え?」

晋助「人には言いたくないことの一つや二つあるもんさ」

そうか晋助は最初からなんとなく気づいていたんだ

それでも私を遠ざけなかったのは彼の優しさだ

「私は、、、私は人間じゃない」

絞り出した私の言葉に晋助は

ふっと笑った

晋助「そんなことだろうと思った」

「わかってたの？」

晋助「伊達に宮司やってねぇんでな」