番外編(３) ページ50
みのり「もうそれ以上自分で自分を傷つけないで！」
そう言われた。
一瞬立ち止まったが、また歩き出した。
何故か彼女の言葉だけはすんなり心に響いてくる。
その日以来、少しだけみのりと会話をするようになった。
彼女といると何故か心が安らぐ。
なんだか少し、少しだけ笑える気がする。
一瞬だけ嫌な過去を何もかも忘れられる。
みのり「A、美味しいカフェ見つけたの。
そこのランチが物凄い美味しくて！
一緒に行こう？？」
いつものように授業を受けているとみのりがランチに誘ってくれた。
みのりのおすすめのカフェにつき、昼食をとっていると、
「お？Aじゃん！！久しぶり！
今夜飲みに行こうよ！！」
定期的に遊んでいる男と出くわした。
みのりの前だ･･･。
なんだか気まずかった。
「とりあえず、後で連絡するわ！」
それだけ言って男は去って行った。
みのり「今の人、友達？」
A「･･･。」
みのりに聞かれたが答えられなかった。
あたしが苦い顔で笑って誤魔化すと･･･、
みのり「ねぇ、美子？私ってそんなに頼りないかな？
美子には心の底から笑ってほしい。
愛想笑いなんて私達の間ではよしてよ。」
驚いた。
今までこんな事言われた事なんかなかった。
ましてや、あれ以来こんなあたしを友達だと言ってくれる人も居なかった。
その日、夜通しでみのりに今までの過去を話した。
みのりはあたしより先にあたし以上に泣いて話を聞いてくれた。
そして、
みのり「もう自分で自分を苦しめないで？
辛いときは辛いって言ってくれていいんだよ。
私が貴女のそばに居るから…」
そう彼女は言ってくれた。
あたしは恵まれてる。
そう思った。
みのりのお陰で心が救われた。
みのりさえ居ればあたしはもう一度真っ当な人間に慣れる気がした。
その日以来男遊びも辞め、みのりとの時間を楽しんだ。
ありがとう、みのり。
あの時貴女と出会ってさえ居なければあたしは一生あのままだったと思う。
みのりのお陰で立ち直れた。
もう一度人を愛してみたいとおもえた。
浬とまた会いたいとおもえた。
でもまさかあんな再会を果たす事になるなんてあの時は予想にもしてなかったけど･･･。
番外編 ー[完]ー
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作者名：moca | 作成日時：2020年5月10日 17時
