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「……えっ、と、へ！？」
学校の王子様でもある永瀬くんが、
私みたいな平凡な子を好きと言った！？
その考えもしなかった彼からの言葉に
動揺しないわけがなくて、
あわあわしてしまう私。
そんな私をみて、
「……そんな驚くか！？」
なんて言ってくしゃって笑って。
クスクス笑う永瀬くんをみて、
「そりゃあ、驚くよっ、」
と彼が私を真剣に見つめる視線が
なんだか恥ずかしくて
少し視線そらし、
彼の足元をみる。
そんな私に彼はいう。
「……本気なんや。
俺じゃだめかな？」
そういう彼のほうに、
もう一度視線を向ければ、
さっきまでのあどけない笑顔から一転、
弱々しい不安な眼差しで私をみつめていた。
そんな彼をみて胸が
トクンと波打ったのを覚えてる。
ーー今まで誰かを好きになったこともないし、
付き合うとかそういったこともない。
なんならそういう色恋には
疎かった縁もなかった私。
永瀬くんと仲良くなってから
彼に見とれることがしばしば
あった。
そして今好きだと気持ちを
言われ、高鳴る鼓動に
これが恋なのかも と
思った。
今にも泣き出しそうな子犬のような
瞳をしている永瀬くんと
視線を絡ませ、
「………こんな私でよければ、
よろしくお願いしますっ、」
そう返事を返せば、
「……え、まじっ！？
ーーーーっしゃあーー！！
まじ振られるんちゃうかって
めちゃびびったわー」
なんていう彼はガッツポーズをすると、
私に駆け寄り抱きついた。
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作者名：しのん。 | 作成日時：2019年7月28日 0時
