夕暮れきらきら。＊K.takahashi＊ (ページ29)

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° ページ29

神崎は撫でられたあたまを
照れ臭そうに触った後に
永瀬と俺をみて言う。

「..じゃあ、私教室戻るね！」

「おん、また後でラインする！」

永瀬と軽く言葉を交わした神崎は
履きなれないスリッパをパカパカと
ならしながら
その場をあとにした。

永瀬はまた椅子に座り
食べかけのナポリタンを口にする。

俺はふと振り返って
その場を後にした神崎の方を見た。

すると、
食堂の入り口付近で数人の女子達に
囲まれながら話をしている姿が目に入り、
神崎はその女子達と笑いながら
話していて。

ーー神崎ってあんな友達いたっけ、、？

と思っていた時だった。

その神崎がふと一瞬こちらに目線を
向け、目が合った気がした。

「...っ！」

気づけば俺は勢いよく席を立ち上がっていた。

「..！？ちょ、どないしたん！？」

いきなり立ち上がった俺に
びっくりしている永瀬。

それと同時に俺の視界から
見えなくなった神崎たち。

「....ごめんっ！これ片しといて！！」

「..は！？、ちょ、おま、どないしたん！？」

俺は言い終える前には走り出していた。

俺は走り出しながら
さっき一瞬目が合った時の
神崎の顔が浮かんでいた。

神崎が困ったときに
するあの、へらって笑う作り笑顔。

あの目が合った気がした
一瞬だったけど、

俺には神崎が
助けを求めているような感じがした。