夕暮れきらきら。＊K.takahashi＊ (ページ16)

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° ページ16

「.....ねぇ、」

「......なにっ？」

「.....永瀬はこのこと知ってるの？」

そう俺が聞くと
その大きな瞳の動向がカッと
大きくなり、

その瞳が俺の瞳を見つめると
神崎はしゃがんで、
小さな声で言った。

「........れんには、言わないで...っ、
今、廉大事な試合の前だから
迷惑かけたくないのっ、」

そう言って神崎は
俺の右腕のワイシャツを
きゅっと掴んだ。

ーーその手には力が込められており、
神崎の必死さが、ワイシャツ越しに
伝わった気がした。

「........わかった、言わないから。」

神崎が言わないでというなら、
俺は言わない。

ーーー神崎がそういうのなら...

俺は神崎の腕を掴んで
立ち上がる。

そのまま神崎も勢いで
立ち上がり、俺は
神崎の足元を見て、

「...でもさ。さすがに
このままっていうのは、」

そういう俺に、

「..べ、別にだ、大丈夫だよっ。
なんとかなるよ！」

なんていう神崎に
俺は、はぁっ、とため息をつくと、
神崎は一瞬困った顔をした。