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彼を見るなり神崎は
気づいていないだろうが
目線だけ向けてたのが、
自然と体もそちらに向けて
きらきらした表情へと変わっている。
廉は俺たちを見つめ
踵を潰した上履きを鳴らしながら
近寄ってきた。
「なにもたもたしとんねん、
はよ、帰る準備せやぁ。」
永瀬の
柔らかな声の大阪弁が
大阪弁特有のキツイ感じを
半減させている。
「ごめーん。授業中寝てたら
いつのまにか時間が!」
「...はあ、なにしとんねん。
いつまで経っても来ーへんから、
痺れ切らして教室まで迎えにきてしもうたわ」
「本当ごめんねー!ありがとうっ」
そう、2人が会話をする光景を見つめる。
教室に吹き込む風が神崎の髪をなびかせ、
部活のサッカーでほんのり日焼けした
逞しい腕が伸びて
その手が風でほんの少し乱れた神崎の
髪を整える。
髪の毛に触れられ、少し照れ臭そうにする
神崎の頰は、ふわっと赤く染まるのがわかる。
そんな神崎は、少し申し訳なさそうな
顔をして、永瀬の顔を見上げて言う。
「..,.廉、迎えきてくれたのに、あれなんだけど、、今日日直でさ、プール掃除、盒兇藩蠅泙譴舛磴辰董一緒に帰れなくなっちゃった...
.....ごめんっ!」
「は!?プール掃除!?なんや、それ!
まじかよ、.あー、なんやねん。
今日部活休みやから久しぶりにAと
帰れると思って、楽しみにしとったのにー。」
「ご、ごめんー、、」
永瀬の落ち込んだ表情をみて
神崎は口元に両手を合わせて謝る。
そんな神崎に、永瀬は
神崎の額に人差し指をツンと尽きたて、
「ほんま、あほ。次はもっと早く連絡せえ。」
と、軽く微笑んで、前髪で隠れた
その額をつついた。
いてっ。とか軽くいうと
神崎は続けて口を開く。
「だって今の今まで、盒兇妨世錣譴襪泙
忘れてたんだもん、、」
「ほんま、あほちゃうか?いつもぽけーっと
しとるからや。」
「うるさ!あほあほいうな!ばか!」
そんなことを軽く言い合う2人は
とても幸せそうで。
ふと時計を見上げると、
時計の針が、16:15を指していた。
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作者名:しのん。 | 作成日時:2019年7月28日 0時