肩とか髪とか、君のすべて (ページ43)

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▼ cramped ページ43

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『湧、もう少しそっち行ってよ』

湧「ええ、なんで？」

『なんでって、狭いー』

湧「近くていいじゃん」

先週末に夏休みが終わって、
今週から普通に大学が始まった私たち。
久々の学校に疲れたのか、
湧がいつも以上にいつもの百倍甘えてくる。
友だち時代は湧がこんなに甘えるタイプだなんて知らなかったな。友だち時代といってもほんのちょっと前の話なんだけど。

湧「ねむー」

『私も眠い』

湧「じゃあ、ギューってして寝よう」

『それは暑くない？
もう9月にしてもまだ外、30℃越えだよ』

湧「やだ」

『わがまま！』

だってー、やだーとまるで幼稚園児が
お母さんに買ってほしいお菓子を
買ってもらえない時みたいに駄々をこねる湧。
かわいいけど、折れるわけにはいかない。

『やだ』

湧「嫌じゃない！」

『そんなくっついてなくても私は離れないってば』

湧「寂しいじゃん」

『隣に居るよ』

湧「おねがいっ」

『～～っ、今日だけ！』

そんな上目遣いされた日には
負けるに決まってるじゃん！
いっつもこういう勝負では私が負ける。
いいもん、今度は私が引っ付いてやる！

あ、でも今こんなにくっつきたがってる人
私がくっつこうとしたら、
喜んでよりベッタリになるか。
結局好きだから何されてもいいんだけど。

cramped = 狭苦しい