肩とか髪とか、君のすべて (ページ30)

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30. proposal ページ30

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『美味しい！湧こんなの作れるなんて知らなかった』

湧「俺もこんな上出来だとは思わなかったな～」

ゆかりに褒められるとやっぱりいい気になってしまう。でも自分で食べてみても、味はかなり美味しくてあえてゆかりの言葉はお世辞ではないと考えることにしてみた。

『これからたまには湧も朝ごはん作ってよ。私起こすからさ』

湧「え、あ、うん」

『ん？どうかしたの？』

湧「いや、俺まだここに居ていいんだって思って」

『どういうこと？』

湧「だってゆかりは彼氏と別れたわけでしょ。なら、俺で寂しさを埋める必要はないんだなって思ってた」

『そうだけどさ、居てよここ』

湧「俺、家賃払ってねえよ」

『まあね』

湧「払うから一緒に住んでもいい？」

『ふふっ、いいよ。なんかプロポーズみたい』

湧「いいじゃん。本当にプロポーズにしてもいいよ」

俺は冗談半分で言ったつもりなのに、
ゆかりは頬を真っ赤に染めてこっちを見つめてくる。

『湧、そんなこと簡単に言うもんじゃない』

湧「俺はしたいけどね、ゆかりと結婚」

『…は？』

湧「いや、ごめん。やっぱり忘れて」

『…ん、うん』

やっぱり忘れないでって、俺のこと見てって言えたらどれだけ楽なんだろう。

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