肩とか髪とか、君のすべて (ページ14)

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14. bitter ページ14

#you

湧「ん、飲みな」

家に帰ってきて着替える余裕もなく、ただひたすらぼーっとしていると湧が紅茶を入れてくれた。
冷たい時も巫山戯てる時もあるけど、なんだかんだ優しくて気が利いて、湧みたいな人を、湧を好きになれたらきっと幸せなんだろうな、なんて思ってしまう。

湧「何があったのか言いたくないなら聞かねえけど、聞いてやってもいい」

『すごい上から』

湧「俺が紅茶飲んでやってもいいけど」

『だめ、私が飲む』

そう言って飲もうとしたけど、想像以上にまだ熱さが残っていた。

湧「いや、馬鹿かって。気をつけろ」

言い方に棘はあるのに、言ってることはすごく優しいんだもん。

『ねえ、ギュッてしていい？』

湧「へ？」

弱っている今聞いたら甘えたくなっちゃうんだよ。

『ごめん、なんでもない』

湧「いいよ、おいで」

さっきのちょっとの冷たさはなくて、優しい口調で言う湧。

『…湧ー』

湧「ったく、泣くなって。俺がいるから」

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