Vict.406 ページ6
勝「――…Aちゃん」
頭上で、勝利くんの声がした。
A「ん…」
そっと肩を揺らされ、目を開ける。
A「あれ…勝利くん、もうお風呂上がったの…?」
ベッドサイドから私を見下ろす勝利くん。
髪も乾いてるし、服もバスローブじゃなく自分の服を着てる。
勝「…うん、3時間前に上がった」
その言葉に、思わず耳を疑った。
A「っ、3時間前…!?」
ベッドから飛び起きた私に、勝利くんは肩をすくめる。
勝「Aちゃん…寝てたんだよ?」
A「嘘…」
勝「ホント」
そう言って勝利くんは可笑しげに笑う。
私、あのまま寝ちゃってたの?
3時間も…?
勝「…お風呂から上がったらさ、ベッドの上でAちゃんが気持ち良さそうに熟睡してたから起こすのも悪いかなって」
私の事…ずっと起こさずに待っててくれたの?
勝「だけど、そろそろ時間的に心配だったから…」
A「え…?」
不意に枕元のデジタル時計に視線をやれば、時刻は既に23時を指していた。
勝「…家に連絡してないんでしょ?明日から学校だし、今日はもう遅いし帰ろう」
落ち着いた勝利くんの言葉。
さすがに、ここに泊まるわけにはいかないもんね。
せっかくホテルに来たのに…
私のせいで、全てが台無しになっちゃった。
A「っ…ごめんなさい」
勝「…いいよ、Aちゃんの可愛い寝顔も見れたし」
A「な…っ」
よだれとか垂れてないよね?
ましてや、いびきなんて…。
それよりも…予行練習、出来なくなっちゃった。
私が寝ちゃったりなんかするから…。
A「怒ってない…?」
勝「どうして?」
A「だって、予行練習…出来なくなっちゃったんだよ?」
泣きそうな顔でそう言えば、勝利くんは優しく微笑む。
勝「また、来ようよ。…ホテルじゃなくたって、俺ん家でもいい。いつだって、チャンスはあるよ」
A「勝、利くん…」
ホントは、勝利くんだってすごく辛いはずなのに。
勝「そりゃあ、俺も男だし…辛くないと言えば嘘になるけど」
A「っ…」
勝「バスローブ姿で無防備に眠るAちゃんを見てたら、まさに生殺し状態だった」
切なげな瞳が、私の視線を捉える。
勝「キス…していい?」
A「!…ん……っ」
答える前に、唇を塞がれた。
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セーラ - 前にこの作品を読んだ時12シリーズまであったのですが削除されてますか?確認お願いします! (2020年7月23日 22時) (レス) id: 9ffba0b2d2 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - 更新お願いします! (2017年7月7日 0時) (レス) id: 9250739760 (このIDを非表示/違反報告)
まみこ(プロフ) - 最初から読み返して見てぐっと恋人ぽくなってるのにまだまだ初々しい主人公が可愛いです。体育祭の本番どうなるかが楽しみです(^^)今後の展開を楽しみにしてます! (2017年7月5日 18時) (レス) id: b699f5b710 (このIDを非表示/違反報告)
とむろ(プロフ) - この作品とても好きです。なので、更新とても楽しみにしています! (2017年7月1日 16時) (レス) id: a233eeddf4 (このIDを非表示/違反報告)
そなた(プロフ) - 更新ありがとうございます!!:-) (2017年6月16日 14時) (レス) id: 29779a9a59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りん | 作成日時:2016年12月15日 17時