Vict.441 ページ41
監督「いやー、佐藤の活躍には俺も感心した!バスケ部の監督として誇りに思う」
嬉しそうに、勝利くんの肩を叩く監督。
勝「…あ、りがとうございます」
監督「で、そんな俺からお前に頼みがある」
勝「頼み?」
監督「資料室に行って、過去に行われたバスケ部のリレーのデータを取りに行ってくれないか?それぞれ部活動ごとに並べられているから直ぐにわかると思う」
勝「え…あの、俺、今から――」
監督「これが戸棚の鍵だから。宜しく頼んだぞー」
半ば強引に、監督は勝利くんに鍵を手渡した。
そして、何事も無かったかのように去って行く。
勝「…や、意味わからないんだけど…(笑)」
呆然と佇む勝利くんが、ボソリと呟いた。
A「…絶対、いいように勝利くんを利用したよね(笑)」
勝「ていうか、自分の仕事を俺に押し付けたよね?(笑)」
勝利くんも呆れたように溜め息をつく。
……そういや、前に私も監督にコキ使われたっけ。
あの時は私が部活を遅刻したのが原因だったけど。
A「勝利くん、今からスウェーデンリレーのリハでしょ?代わりに私が行くよ」
勝「え、そんなの悪いよ」
A「いいよ、私が行く。鍵貸して?」
勝「…じゃあ、一緒に行こ?まだ時間あるし」
そう言って、勝利くんが私の手を引く。
結局、二人で資料室へ行く事になった。
勝「遅刻にうるさい監督が、リレーが始まる直前に仕事を押し付けるって有り得ないよね(笑)」
A「それで遅刻しても勝利くんのせいじゃないよ(笑)」
なんて、二人で愚痴をこぼしながら資料室へと向かう。
勝「…俺、資料室なんて初めて入るよ」
A「私もだよ」
広い校舎の中にひっそりと佇む資料室は、
普段あまり利用されていないせいか、
何処か埃っぽくて薄暗かった。
勝「…えーっと、どの辺りだろ…」
A「何か、図書室みたいだね」
キョロキョロと、順番にお目当ての戸棚を探していく。
A「確か、リレーのデータって言ってたよね…」
勝「あっ…これじゃない?“体育祭関連”って書いてる」
勝利くんが素早く戸棚に鍵を差し込むと、
カチャリと鍵が開いた。
A「――うわ、埃まみれ…」
ガラス戸の扉を開ければ、ふわりと埃が舞う。
勝「…前髪に埃がついてるよ(笑)」
A「え、やだ…どこ?」
勝利くんに指摘され、慌てて前髪を振り払う。
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セーラ - 前にこの作品を読んだ時12シリーズまであったのですが削除されてますか?確認お願いします! (2020年7月23日 22時) (レス) id: 9ffba0b2d2 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - 更新お願いします! (2017年7月7日 0時) (レス) id: 9250739760 (このIDを非表示/違反報告)
まみこ(プロフ) - 最初から読み返して見てぐっと恋人ぽくなってるのにまだまだ初々しい主人公が可愛いです。体育祭の本番どうなるかが楽しみです(^^)今後の展開を楽しみにしてます! (2017年7月5日 18時) (レス) id: b699f5b710 (このIDを非表示/違反報告)
とむろ(プロフ) - この作品とても好きです。なので、更新とても楽しみにしています! (2017年7月1日 16時) (レス) id: a233eeddf4 (このIDを非表示/違反報告)
そなた(プロフ) - 更新ありがとうございます!!:-) (2017年6月16日 14時) (レス) id: 29779a9a59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りん | 作成日時:2016年12月15日 17時