私の初恋。９【Shori.S】

Vict.432 ページ32

風「…俺は今の席で十分満足だけど(笑)」



聡「一番後ろの窓側で特等席だもんね(笑)」



マ「僕も今のままでいい！」



聡「マリは隣にAちゃんが居るからでしょ(笑)」



マ「あは、バレちゃった？(笑)」



風磨くんもマリくんも、席替えには興味無いみたい(笑)





A「…ただ単に先生が忘れてるだけかな？」



菜「えーそんな事ある？(笑)」



菜花が可笑しげに笑えば、マリくんは何かを思い出したように私達を見た。




マ「でも、前に先生が席替えの話を持ち掛けた事あったよね？」



聡「あったあった、特に女の子達は乗り気だったよね」



マ「あれからだいぶ経つのに、どうして席替えしないのかな？」


マリくんは不思議そうに首を傾げてる。



聡「俺が先生に聞いてみるよ。きっと皆も席替えしたいだろうし」



マ「えーそんな事したら聡くんとも離れちゃうじゃん！」



マリくんは今にも泣きそうな顔で聡くんにすがり付いてる。




聡「…俺はそろそろマリと離れたい(笑)」



マ「聡くんひどい！」



ポロリとこぼれた聡くんの本音に、マリくんはショックを受けた様子。




菜「…勝利くんはどーなの？やっぱ席替えしたいよね？Aと近い方が安心でしょ？(笑)」



チラリと私に視線をやりながら、菜花は微笑む。




決して今の席が嫌なわけじゃないけど、



やっぱり勝利くんと近い方が嬉しい……。





勝「……席替えはたぶん無理なんじゃない？」



そんな菜花の言葉に、勝利くんは肩をすくめる。




A「え…？」



どういう事……？




聡「何か知ってるの？」



勝「ん…、まぁ」



風「もったいぶらねーで教えろよ(笑)」



風磨くんが急かせば、勝利くんは小さく息を吐く。




勝「…――って言ってるけど？」




そう言って、勝利くんが健人くんを見た。




健「え、俺？」



ずっと黙り込んでいた健人くんが、おどけたように口を開く。



勝「とぼけないでよ(笑)……全ての元凶は健人くんなんだから」



見兼ねた勝利くんが、大きく溜め息をつく。




健「元凶って(笑)そんな悪者扱いしないでよ。俺はただ、ちょこっと“お願い”しただけじゃん(笑)」



A「お願い？」



風「あー…何かわかったかも(笑)」



察しの良い風磨くんは、何処か呆れ顔。




A「…どういう事？」



話が見えず問い返せば、健人くんはニッコリと微笑む。

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