Vict.419 ページ19
勝「Aちゃん？」
その時、教室から勝利くんが出て来た。
A「勝利くん…」
勝「今の……亜衣ちゃんだよね？」
A「っ、うん――」
勝「…何かあった？」
不穏な空気を感じ取ったのか、
勝利くんが心配そうに顔を覗き込んでくる。
A「…亜衣ちゃんの事…傷付けちゃった――」
勝「え…？」
嫌われちゃったかも知れない。
A「…亜衣ちゃんだって…辛かったはずなのに――」
軽はずみであんな事……言うんじゃなかった。
踏み込んだのは私なのに、今になって後悔しかない。
勝「…何があったの…？」
泣きそうな顔の私を見て、勝利くんが問い掛けてくる。
それだけで、涙が溢れそうになる。
先程起きた事を話せば、優しく微笑む勝利くん。
勝「…Aちゃんは…亜衣ちゃんの力になりたかったんだよね？」
A「うん…」
だけど、それが亜衣ちゃんやマリくんを傷付けてしまう事を気付けなかった。
ううん…考えもしなかった。
A「…亜衣ちゃんが怒るのも無理ないよ――」
勝「でも、Aちゃんの素直な気持ち…亜衣ちゃんにもちゃんと伝わってるはずだよ」
A「でも…っ、それが亜衣ちゃんにとっては堪え難い事だったんだよ」
よりによって、好きな人の好きな人に応援されるんだもんね。
そんなの…嬉しくないよね。
勝「…確かに、亜衣ちゃんにとったら辛い事だと思う」
A「…っ」
勝「でも…亜衣ちゃんは、マリの気持ちを一番に考えていたからこそ、Aちゃんに応援される事が許せなかったんじゃないかな」
だから…これ以上、進もうとはしなかった。
マリくんの気持ちを知っていたから。
それなのに私は――…。
勝「…あまり自分を責めないで？亜衣ちゃんもマリも、Aちゃんの優しさ……ちゃんとわかってるよ」
A「っ、だけど私はマリくんの気持ちも考えずに一方的に亜衣ちゃんを――」
勝「マリが今でもAちゃんを好きなのは、健人くんだって同じだよ」
A「え…」
勝「それでも二人とも、俺達の事を応援してくれるし…ずっと見守ってくれてるよね」
A「…っ…」
私だけじゃない。
健人くんもマリくんも、私と勝利くんの事をずっと支えてくれた。
うまくいかなくてくじけそうになった時も、
力になってくれた。
側に…居てくれた。
好きなのに。
好きだからこそ、出来た事かも知れない。
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セーラ - 前にこの作品を読んだ時12シリーズまであったのですが削除されてますか？確認お願いします！ (2020年7月23日 22時) (
レス) id: 9ffba0b2d2 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - 更新お願いします！ (2017年7月7日 0時) (レス) id: 9250739760 (このIDを非表示/違反報告)
まみこ(プロフ) - 最初から読み返して見てぐっと恋人ぽくなってるのにまだまだ初々しい主人公が可愛いです。体育祭の本番どうなるかが楽しみです(^^)今後の展開を楽しみにしてます！ (2017年7月5日 18時) (レス) id: b699f5b710 (このIDを非表示/違反報告)
とむろ(プロフ) - この作品とても好きです。なので、更新とても楽しみにしています！ (2017年7月1日 16時) (レス) id: a233eeddf4 (このIDを非表示/違反報告)
そなた(プロフ) - 更新ありがとうございます！！:-) (2017年6月16日 14時) (レス) id: 29779a9a59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りん
| 作成日時：2016年12月15日 17時
