検索窓
今日:15 hit、昨日:1 hit、合計:397,044 hit

Vict.298 ページ48

その時、頭上から声が聞こえた。





菜「何してるの?」




突如現れた菜花の姿を見て、先輩は慌てて唇を離す。





?「菜花…っ」




菜花が、2階から私と先輩を見下ろしてる。




先輩は面食らった顔で、言葉を詰まらせた。





だけど、菜花の後ろに勝利くんの姿が見えた途端、



私の頭の中は真っ白になってしまう。





菜「…今、キスしてたよね?」





菜花の声が、震えてる。




きっと、誤解されてる。




何より、勝利くんに見られてしまった。





A「ち…がうの!先輩が…っ」




?「別に俺が誰とキスしようといつもの事じゃん。菜花もそれを承知で俺と付き合ってるんでしょ?それに、Aちゃんも乗り気だったし」




A「勝手な事言わないで!!」




?「菜花は手を出すなって言ってたけどさ、Aちゃん可愛いし我慢出来なかったんだよね」




何の悪びれた様子も見せず、先輩はただ笑うだけだった。





A「菜花っ…」




とにかく、ちゃんと説明しなきゃ――。





菜「最低だよ」




突き放したような、菜花の言葉。




私の事、軽蔑してる?





全部、先輩に無理矢理された事なのに…。





?「俺の一番は、菜花だから。確かに誘ったのは俺だけど、Aちゃんの誘惑に理性が効かなかったんだ」




A「っ、な!」





“誘惑”って何?




まるで私が誘い出したみたいな言いぐさ…。





菜花は無言のまま、そっと階段を下りた。




私達の前までやって来ると、菜花は何の躊躇いも無く先輩の頬を平手打ちする。





?「っ、何すんだよ!」




菜「それはこっちのセリフ!!あれだけAには手を出さないでって言ったのに…何で……っ」




菜花の視線が私に移る。




私も叩かれる…?





思わず身構えたら、菜花に抱き締められた。





A「な、のか?」




菜「ごめんね…怖い思いさせて…」




A「菜花…っ」




菜「Aは何も悪くない…全部、私が悪いの。私が先輩と付き合ったりしたから」




?「は、お前それどういう意味だよ」




聞き捨てならない菜花の言葉に、先輩は怒ったように問いただす。





菜「どうもこうも無いよ。先輩がAに手を出して目が覚めたの。私は…先輩なんかより、Aが大事。親友を傷付けられて、もうこれ以上黙っていられない」




菜花は冷たい目で、先輩を見つめた。





冷ややかなその眼差しは、菜花にとって決断の時でもあった。

Vict.299→←Vict.297



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (243 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
729人がお気に入り
設定タグ:SexyZone , 佐藤勝利 , 中島健人
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:りん | 作成日時:2015年10月30日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。