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Vict.295 ページ45

放課後、更衣室で体操着に着替え、



勝利くんと共に体育館へと向かう。




今日からまた、部活が始まる。





テスト明け初めての部活だから、勝利くんはすごく嬉しそう。





勝「久々の部活だから身体がだいぶなまってる」




そう言って勝利くんは大きく伸びをする。





体操着の裾が上がって、肌がチラリと見えた。





…勝利くん、すっごく身体が細いの。




思わず折れちゃうんじゃないかってドキッとしちゃった。





勝「ん?どうかした?」




なんて、爽やかに笑う勝利くんは眩しいぐらい。




かっこ良くてスポーツ万能だし、体操着が本当に良く似合う。





A「細くて羨ましいなって。私のお肉、あげたいぐらい」




つい、思った事を口走ってしまった。




案の定、勝利くんに笑われてしまう。





勝「お肉って…Aちゃん全然細いじゃん。脂肪なんて気にする必要無いよ」




A「細くないよ。部屋着のTシャツだってXLだし、健人くんにも着痩せするタイプだって笑われたもん」




こんな恥ずかしい事、勝利くんに言うつもりなんて無かったのに。





勝「健人くん、そんな失礼な事言ったの?てかXLって…それはAちゃんが好んで着てるだけで実際のサイズじゃないでしょ?」




そんな私の言葉にも、勝利くんは優しくフォローしてくれる。




その時、勝利くんが小さく声を上げた。





勝「ごめん、更衣室にタオル置いてきた。取りに行って来るから先行ってて」




A「ここで待ってる」




勝「廊下、寒いよ?」




A「全然平気」




勝利くんもさっき、私の事を待っててくれたから。





勝「…わかった。直ぐ戻るから」




そう言い残し、勝利くんは駆け出した。





だけど、この選択が最悪の事態を招いてしまう。






?「あれ、もしかしてAちゃん?」




勝利くんが離れた直後、背後から聞こえた声に振り返る。




階段の踊り場から、菜花の彼氏である先輩が私を見下ろしてる。





?「やっぱAちゃんだ」




そう言って、軽快に階段を駆け下りて来る。




よりによって、今一番会いたくない人に会うなんて。





?「奇遇だね。今帰り?」




A「これから部活です…」




?「バスケ部のマネやってるんだっけ?菜花から聞いた」




菜花、余計な事言わなくていいのに…。





?「制服姿もいいけど、体操着姿も可愛いね」




不敵な笑みを浮かべる先輩に、思わず後ずさってしまった。

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作者名:りん | 作成日時:2015年10月30日 10時

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