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Vict.290 ページ40

勝「…俺達も行こっか」




勝利くんに手を握られ、思わず過剰に反応してしまった。





そんな私を見て、勝利くんは肩をすくめる。





勝「…風磨くんが言ってた事、気にしてる?」




A「え……」




勝「大丈夫だよ、Aちゃんが嫌がるような事は絶対にしないから」




A「っ…」





それって…



遠回しに言えば、我慢してるって事?





勝利くんは…



もっと私に触れたいって思ってるのかな……。






――学校に着いても、



今朝の出来事が気になってなかなか授業に集中出来なかった。





健「何難しい顔してんの?」




昼休み、健人くんが大量のコロッケを抱えながら話し掛けてきた。





A「な、何でもないよ。…ていうか、そのコロッケどうしたの?」




焼きたてのコロッケの香りが、教室中に立ち込めてる。





健「食堂の売店で買ってきた。昨日、数量限定でセールやるって貼り紙してたから。1個10円だよ!ヤバくない?」




健人くんは興奮したように目を輝かせた。





A「10円…!?それはお買い得だね。だけど、個数制限とか無かったの?」




見てる限り、健人くん一人で買い占めちゃってるって感じだし…。





健「あったよ。一人3個までって書いてた。だけど、売り子のお姉さんがイケメンだからって大目に見てくれたんだよね」




A「…それでも、買いすぎじゃない?」




健「や、半分はおまけで貰ったんだよね。俺が一人暮らしだって言ったら、かなりサービスしてくれた。晩ご飯のおかずにしようと思ってさ。これだけ安かったら節約にもなるし」




A「節約って…。こんなにあったら、逆に飽きちゃいそう」





その時、勝利くんがお弁当を持って、私の席へとやって来た。





勝「めっちゃコロッケのにおいがする」




健人くんのコロッケをチラリと見て、勝利くんは呟いた。





マ「健人くん、お金払うから1個ちょーだい!」




話を聞いていた隣の席のマリくんが、財布から10円玉を取り出す。





健「これは俺の晩ご飯だからあげないよ?俺を飢え死にさせる気?」




勝「いや、それは大袈裟だって」




マ「1個ぐらいいーじゃん!健人くんのケチ!」




健「…あ、そう言えば、食堂に菜花ちゃんが居たよ」




マリくんをスルーし、健人くんが私に言った。

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作者名:りん | 作成日時:2015年10月30日 10時

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