Vict.108 ページ8
マ「…それにしても、あの女の子ひどいね」
A「山下さんの事？」
マ「うん、Aちゃんの友達でしょ？」
A「友達、というか……」
出会ったばかりでまだそこまで仲が良かったわけじゃないけど、私達は一応ライバルだから…。
マ「しかも勝利くん、その子の事名前で呼んでたからやだ」
マリくん、気付いてたんだ…。
A「…あのね、実は彼女も勝利くんの事が好きなの」
マ「え…！？」
A「だから……恋のライバル、なんだ」
マ「そうだったんだ――…」
マリくんはそっと肩を落とす。
山下さんが勝利くんに振られた事は、あえて言わなかった。
だって…言わなくてもマリくんの反応がわかる。
マリくんも知ってるんでしょ？
勝利くんが誰とも付き合わない事――。
健人くんもマリくんも、それを知った上で私を応援してる。
それって、立場的にもすごく複雑な心境だよね。
何だか、すごく居たたまれない気持ちになる。
マ「…でもどうして、勝利くんは山下さんを信じたのかな」
A「………」
それは私が一番知りたいよ…。
マ「Aちゃん、あんなに必死で訴えてたのに…」
マリくんが、ぎゅっと拳を握り締める。
A「山下さん…よっぽどマネージャーになりたいみたい。こんな事になるなら、私が身を引くべきだったかな」
思わず、弱音を吐いてしまった。
“親睦会”なんて言うけど、ホントは全部自分のためにした事じゃん。
最初から私を誘うつもりなんて無かった、山下さんの策略。
その結果、このような不運が重なってしまった。
挙げ句の果て、勝利くんは山下さんに味方しちゃうし。
何か……疲れちゃったよ。
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作者名：りん
| 作成日時：2014年7月29日 15時
