祈り (ページ45)

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「ねぇ、先生。俺、やっぱみんなに言おうかなって思ってるんだ。」

「赤ちゃんのことですか？」

「そう。でもここまで頑張ったのにあと少しのところで諦めるのかって思ったらそれはそれで何か嫌で...今更何言ってんだって話だよね。」

「いいじゃないですか、頼っても。今はママさんのプライドはいらないんです。私個人的にはプライドよりも周りからのサポートがあった方がママさんのためだと思います。」

プライドなんて捨てれるなら捨ててるよ...

「ママさんは？本当はどう思ってるんですか？」

「そりゃぁ...会いたい。」

会いたくないなんてことは絶対無いよ。

「でもたまにまだ思う時があるんだ。この子いなかったらどうなってたんだろうって。...こんなママ最低だよね。」

「なら、どうしてそんなに我慢するんですか。」

「え？」

「ずっと言ってきたはずです。こんなママだなんて言わないでって。もっと周りを頼ってって。我慢するだけが強いわけではないんですよ。」

「でも怖いよっ...皆が今より離れてしまうかもしれないって考えたらっ...」

俺が自分で離れていったことは分かってる。
だけど、どこかで他の奴らは俺の事を信じてくれている気がした。
そうやってどこか甘えていた。

「俺が全部本当のこと話したことでさらに皆に拒否されるんじゃないかと思うと怖いよっ...」

先生は俺の背中を優しくさすってくれながらこう言った。

「私が言えることではないのですが、そんなこと絶対無いと思いますよ。ママ、あなたがメンバーさんのこと信じてあげなきゃ。」

あぁ、そっか。
俺の方が信じきれてなかったんだ。
あいつらがこのことを知って離れるはずないのに。
そんなヤツらじゃないのに。
勇気がなかっただけなんだよ、俺が。

「先生、ありがとう。頑張ってみる。」

先生と話した後、久しぶりにグループメールを開いてみた。
最後に俺から話したのは何ヶ月も前。

「お願いっ...助けてくださいっ...」

藁にもすがる思いで俺は皆に全てを話すことにした。