祈り (ページ39)

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ジェシーのおかげでこの子の障がいをやっと受け入れることが出来た。
これからはこの子をしっかり迎え入れてあげる準備をしなければいけない。
女の子らしい可愛い名前もつけてあげないといけないし、ベビーグッズも買わなきゃ。

「え！？あと４ヶ月！？」

ふとカレンダーを見てみると、この子が産まれるまであと４ヶ月だった。

そっか。
もう6ヵ月だもんな。

「なら、今日行くか。な？」

最近はお腹を蹴る力も一段と強くなったように思う。
まるで俺を奮い立たたせてくれているようだった。

でもちょっと厳しいのはお金の面。
いきなりパタッと仕事から離れて貯金だけで生活するとなると、やっぱり厳しいものがある。
そんな中でもこの子にはいいものを買ってやりたい。
この少しのことでも子供優先になってしまうのは母性なのだろうか。

そして久しぶりにやってきたデパート。
ベビー関連のお店に行くのは初めてだった。

「やっぱ女の子はピンクか？」

ベビーグッズなんて買ったことないし、ましてや女の子用だなんて全くもって分からない。
かと言って店員さんに聞いてバレてしまえばと思うと怖くなる。

「んー...これ？」

何となく女の子っぽいと思った赤ちゃん用の小さな布団を手に取りお腹に当ててみた。
すると気に入ったのか強くお腹を蹴ってくれた。

「おぉ！お前これがいいのか！やっぱ女の子だなぁ！」

気に入らなければ全くお腹を蹴らないし、気に入ったものがあれば強くお腹を蹴る。
まるで外の世界が見えて意志を持っているかのようだった。

気づけばカゴの中にはすごい量のベビーグッズがあった。
ベビーカーはもちろん、哺乳瓶や子供服などとりあえず目につくものは全て買った。

「うわ、俺完全にママじゃん！」

両手いっぱいにあるベビーグッズが嬉しかった。
姪っ子のために買ってあげた時とはまた違う、不思議な感覚。

でも多分この気持ちが幸せってことなんだうな。