祈り (ページ27)

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俺はやっぱりジェシーと離れられなかった。
たとえ他のメンバーと遊びにいったとしても帰るのはジェシーの家。

「最近の樹、更に甘えただね。」

ジェシーの家のソファーでくつろいでると投げかけられたこの言葉。
多分これは「甘えた」じゃなくて「甘え」なんだけどな。

「一ヶ月会えなかったからジェシーを補充してるの。今のうちに充電しとかないと。」

今のうちに大好きなジェシーを俺に取り込んでおかなきゃ。

「じゃあ俺も樹チャージ！」

そう言うとあの日のようにソファーに押し倒された。
でもここは俺の家ではなくジェシーの家。
お互いを求め合うような深いキスではなく、優しく触れるだけのキス。

同じなんて存在しているようで存在しない。
エコー写真と一緒。

「ジェシー…」

ジェシーと離れたくなかった。
だから今度は俺からジェシーを求めるように深いキスをした。

でもすぐにジェシーの唇が離れた。

「ジェシー？」

「でも今日はここでおしまい。体がびっくりするよ。」

ちょっと寂しかったけど、ジェシーの優しさを無駄にしてはいけない。
でもやっぱりもうちょっと…
もうちょっとだけ。

「ギュッてしていい？」

「うん、おいで？」

俺は再びジェシーの胸の中へ飛び込んだ。

「ふふ、いい匂い。」

「本当に好きだね。」

ジェシーの優しい匂い。
そして俺のもう一つ大好きなものがある。

「ねぇ、ジェシー。ハンバーグ食べたい。」

「え？いきなり？」

普段はあまり料理をしないジェシー。
だけど何故かハンバーグはよく作ってくれる。

お願い、最後に。
大好きなもの食べさせてよ。

「仕方ないなあ。今作ってあげるね。」

ジェシーの料理姿は俺だけが知ってる。

「かっこいいなぁ。」

俺は思わず写真におさめた。

「はい、出来た！」

ジェシーのハンバーグはデミグラスじゃなくてケチャップ。
意外でしょ？
本人曰くデミグラスまで手が回らないかららしいけど。

「んー！美味い！」

「HEHE！良かった！」

肉汁が溢れるとか、ふんわりしてるって訳では無い。
どちらかと言うと焼きすぎてちょっと固め。
初めて作ってくれた時は「あれ？」と思ったりしたけど、今となってはどんな三ツ星店のハンバーグよりも大好きだ。