赤い記憶 ページ20
私に突き飛ばされたジュノが、驚いた顔を
しながら床に倒れ込むのと同時に感じた痛み。
自分の左腕を見ると、袖は赤く染まり、床には
ポタポタと血が垂れていた。
「…ジュノ…怪我…してない？？」
「バカ！人の心配してる場合か！」
急いで立ち上がるジュノに、
「ダメ！来ないで！早くここから出て！」
必死で叫んだ。
櫻木さんから遠ざけなくては･･･
そういう思いもあったし、こんな血だらけの
人間に関わって人目を引いたらいけないという
考えも浮かんだから…一刻も早くここから
立ち去ってほしかった。
「う…うわぁ！」
櫻木さんの動揺した叫び声が聞こえる。
「お、俺が悪いんじゃない！勝手に
飛び出してくるからだろ！俺は
そんなつもりじゃ…」
「…櫻木さん…分かりましたから。
だから、もう、やめましょ？それ、
しまってください…私は大丈夫ですから･･･」
櫻木さんは、腕から床に落ちた血だまりを
見つめながら、
「俺のせいじゃない、俺のせいじゃない」
と、繰り返し呟いている。そして、私の願いは
届かず、ジュノが私の元へ駆け寄ってきた。
「A…どうしてこんなことを」
「触らないで、血がついちゃう！」
手を伸ばして私に触れようとするジュノを、
拒絶するしかない私。
「お前が悪いんだ」
さっきまで呟いてた小さな声とは対照的な
はっきりした声の方を見ると、明らかに今まで
とは違う目をした櫻木さんが立っていた。
「お前が悪い、俺のせいじゃない」
指先が真っ白になる程強く握られた赤いナイフ
が、完全にジュノに向けられている。
「お願いジュノ、逃げて！」
私の前に立とうとするジュノに懇願する力しか
もう残っていなかった。
ジュノは、完全に立ち向かう気でいるらしく、
上着を脱いで腕に巻き、臨戦態勢で櫻木さんの
正面に立っていた。
「櫻木さん…やめましょう…やめて…」
痛みと、出血から、力が抜けていく。
目を開けていられなくなって、私はその場に
へなへなと座り込んだ。
「くそーーーー！」
追い詰められた櫻木さんの叫び声と、ジュノが
櫻木さんをかわす音、そして、ドアの開く音と
「なにしてるんだ！」
という、また別の声。人と人が揉み合う音。
助かったという安心感より、ジュノが他の人に
見つかる焦りが大きくて、早くここから出てと
叫びたいのに声が出ない･･･力の抜けた体を
誰かに支えられるのを感私の意識はそこで
プツリと途絶えた。
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moruma(プロフ) - leveyさん» いつもありがとうございます。年度末〜時間がとれず！創作意欲が減退しちゃってました。まだボチボチ書いていきます。よろしくお願いします！ (2014年4月21日 7時) (
レス) id: 35090915ff (このIDを非表示/違反報告)
levey - 私もまっておりました(^^)続きが楽しみです！ (2014年4月21日 6時) (レス) id: b2ca206980 (このIDを非表示/違反報告)
moruma(プロフ) - あにぴさん» 完全に更新止まってましたからね…待っていたと言ってくださってありがとうございました！また、ゆっくり書き始めますのでよろしくお願いします！ (2014年4月20日 19時) (レス) id: 35090915ff (このIDを非表示/違反報告)
あにぴ(プロフ) - はじめまして！お話しをお待ちしてました^^ ジュノ君辛い時期ですが、これまで沢山の試練を乗り越えてきた二人大丈夫！愛の力は強いんだから‥これからも応援してます＼(^o^)／ (2014年4月20日 14時) (レス) id: 957d559f2b (このIDを非表示/違反報告)
lovey - 悲しいけどオッパの言うことはもっともですね(TT) (2014年2月15日 17時) (レス) id: 07ca5bb71c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：morma | 作成日時：2013年11月12日 1時
