見えてるカレシ em.Ver（ﾘｸ） ページ34
私は大学に進学を機に上京し、大学近くのアパートに拠点を構えた。
私には誰にも言ってない秘密がある。
スペクトロフィリア、異常性癖と呼ばれる部類に入る。いわゆる、心霊性愛というものだ。
私はどんなイケメンでもそれが肉体を持った人間である限りなんの興味もない、しかしどんな不細工でも、霊と言うだけで私は恋に落ちる。
もちろん誰でもいい訳では無いが、
私にとって霊というだけでとても魅力的なものなのだ。
私はあるサイトで、とあるものを見つけた。
とある大学近くのアパートに住んでいた男性が孤独ﾀﾋしたと、しかも少し深く調べれば、その男性はその近くの大学の教授だったと。
孤独ﾀﾋ、魅力的な言葉だ。何かを恨んで死んだ霊でない可能性が高い死に方のひとつ。そういう人は愛に飢え、きっと寂しいはずだ。
私がそばにいたあげよう。そう思って私は志望校を直前で変えて、その死んだ男性が所属していた大学の学部に合格し、その男性と全く同じ部屋に入居した。
内見で一応その人の霊がまだ残っているか確認した。除霊されていないじゃ話にならない。
はっきりと見える訳では無いが、気配は感じる。いる場所はわかるし、姿も何となく位は
良かったしっかりいる。
「ここでいいです。いや、ここがいいです。」
焦って再三聞き返す不動産屋を後目にそこにいる霊に微笑みかけた。気づいてるよ、と
住めば都というが極楽だと私は思える。
名も知らぬ霊は時々物音を立てる、驚かせてくるとかではなく、転ぶのだ。本当によく転ぶ、
それが可愛くて可愛くて仕方がなくて、時々邪魔になるところに置いてみたりする。
こける度に私は笑みをこらえるのに必死だった。
ふと、ノートに目を移せば、なかなかさ進まないノート、高校の時の成績でごり押しで合格したが、本来なんの興味もない学部、もっとマシなのにすればよかったなと思いつつ、進まないペンをクルクル回す。
ダメだ、進まない。糖だ、糖をとろう。
そう言って席を外す。冷蔵庫からなにかないかと探していると、
カチカチ、とシャーペンをノックする音が聞こえる。
部屋を覗けば、ペンがひとりでにスラスラと螺旋を描き、そして横たわる。
ノートを見てみれば綺麗な字でわかりやすい解説が、
そうだここに住まう霊はこの学部の元教授、わからなければ聞けばいい、
私は次の問題をトントンと叩いて、気配に向けてペンを向ける。
私の恋人は先生だ。
姉貴カノジョ tn.Ver→←見えちゃう？カノジョ em.Ver（ﾘｸ）
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ケントゥム - 憑き物って「トワイライトプランク」ですよね！！気付いたときめっちゃくちゃ嬉しかったです！！ (2022年7月22日 10時) (
レス) id: 3dc9f6a52b (このIDを非表示/違反報告)
卍エシラ(プロフ) - 紅覇さん» ありがとうございます！ (2020年5月2日 21時) (レス) id: 62414ec622 (このIDを非表示/違反報告)
紅覇 - 悲しすぎて胸の奥がキューってなりました。これからも頑張ってください！！ (2020年5月2日 14時) (レス) id: 6f781d8dfc (このIDを非表示/違反報告)
卍エシラ(プロフ) - 雪鈴さん» これが書きたくて仕方なかったので長くなってしまいました (2020年5月2日 13時) (レス) id: 62414ec622 (このIDを非表示/違反報告)
雪鈴(プロフ) - ……鬱先生、哀しすぎる…ついウルッと来てしまった…｡ (2020年5月2日 13時) (レス) id: 19448fa7ba (このIDを非表示/違反報告)
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