拒否 沖田side ページ32
「想い人の女のコとうまくいってないの?」
「…」
…と。旦那は随分とイキイキした様子でそう俺に問い掛けてきた。からかいやら何やら、邪で野暮な感じを純度100で詰め込んだような。どうやらどこまでも俺の抱えるしょうもない事情をこねくり回してやりたいらしい。そして俺は死ぬほどそれを拒否したい。そして、今一番言われたくないことを言われた俺は、分かりやすく言うとまぁ。
…そろそろ切れる訳で。
「ちょ!!ちょっと待った沖田くん!!!ここ店の中!!」
落ち着け!!その抜きかけた刀を鞘に納めようか!!と。旦那は必死の形相で両手を顔の前でブンブンと振りながらに俺にそう訴える。3cmほど鞘から抜き出したこの銀色でこの性格のひん曲がったニートをどうしてやろうかと思う。骸はあとでゴミ捨て場にでも捨ておけばいいだろう。不燃ゴミで回収されるはずだ。
「悪かった!!銀さんが悪かった!!だから許してお願い300円あげるから!!!」
戻して!!ソレ今すぐ戻して!!と。俺の刀を掴んだ腕を旦那は掴み、鞘へとこの刃を押し戻そうとする。面倒臭くなってきた俺は、旦那の腕を振り払い、鞘に刀を納めた。チャキ、という鉄の音がその場に小さく響き、その鞘に納められた音に旦那は胸を撫で下ろした。
「随分気が立ってんじゃん?」
「……まぁ少なくとも、いい気分じゃねェことは確かですよ」
だから放っておいてくれ、と。そう言いたかったのだが、何を思ったのか旦那は俺の肩にガッ、と腕を回してはドヤ顔で言う。
「相談に乗ってあげようか」
「全力で拒否しやす」
「遠慮しなくていいんだぜ?」
「拒否しやす」
遠慮などこれっぽっちもしていない。拒否しているのだ。旦那の腕をまた退かしてそう言えば、「えー」とかなんとか不満そうな声を漏らされる。知ったことじゃない。そんなことより、さっきから気になって気になって仕方がない事柄が出来てしまった。絶対に聞きたくないとは思いつつ、我慢の効かない俺はついつい旦那に問い掛けてしまう。
「…旦那、」
「ん?」
「…アンタ、アイツと親しいんですかィ?」
何てことない風を装ってはみたものの、旦那は何かを見透かしたようにまたニタリと笑みを浮かべ、「やっぱ気になる?」と。
1431人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雨散 - やばいいいいいいいいいいいい!!沖田のツンデレ?感があああああああ!! (2019年8月5日 15時) (レス) id: c6b3012422 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ(プロフ) - 理央さん» 理央さん!コメントありがとうございます!!面白いですか!私自身も色々試行錯誤しながら書いているのでお楽しみ頂けているなら嬉しいです!!引き続き少しでもお楽しみ頂けるように頑張りますので、よろしくお願いします! (2018年1月25日 22時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
理央 - ものすごく面白いです! (2018年1月25日 21時) (レス) id: 703121ec8e (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ(プロフ) - りんさん» 拗らせてます…(笑) シリアス書き出したらやっぱり止まりませんね…この拗らせてシリアスがパァッ、と盛り上がるように頑張ります!テスト勉強は……頑張りたくはないですが頑張ります(泣笑 (2018年1月3日 23時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ(プロフ) - ミナさん» ミナさん!ありがとうございます!一番好きだなんて……嬉しいお言葉をありがとうございます!!長ったらしくやっていますが、今後ともお楽しみ頂けたら幸いです!沖田隊長にたくさんキュンキュンしていってください!!頑張らせて頂きます!! (2018年1月3日 23時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ピピコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/pipiko1030/
作成日時:2017年12月12日 18時