エピソード7 ページ42
気絶したフブキは夢を見ていた。子供の頃に森で遊び、川辺で蛍の光を見ていた時の夢を……
?『フブキさん…』
ムサシ「フブキさん」
目を覚ますと、そこはトレジャーベースのフブキの自室だった。そして横にはムサシがいた
ムサシ「気がつきましたか」
フブキ「村は…村はどうなった!?」
ムサシ「無事です。安心して下さい」
フブキ「そうか」
ムサシ「キャップから教えてもらいました。フブキ隊員は子供の頃、体が弱くてあの村で療養していた事があるって」
ムサシは村でフブキが見ていた写真を渡す
フブキ「余計な事を…。蛍が村…ここで過ごした日々がひ弱だった俺を鍛えてくれたんだ。でも俺は…、なんにも……なんにも恩返しすることが出来なかった」
悲観するフブキだが、フブキの自室にミクが入ってきた
ミク「大丈夫です。SRCの環境保護チームが……ゴミの撤去に入るとともに、蛍が村を……特別監視地域に指定しました」
フブキ「ほんとか?」
ミク「はい…。いつか……蛍が帰ってきます」
ムサシ「そうだね、きっと帰ってきますよ」
ミクの言葉に頷きながら、ムサシはフブキの肩に手を置く。2人は微笑むが、フブキが肩に乗っているムサシの手を見て一言
フブキ「お前……馴れ馴れしいんだよ!」
ムサシ「痛っ…」
ムサシの手をはねのけた時、再び自室の扉が開き、仲間が入ってきた
ヒウラ「もう大丈夫そうだな」
フブキ「ご心配おかけしました」
アヤノ「はい、お見舞い。大好物のプリン」
ムサシ「プリン!?へえ、フブキさんプリン好きなんだ。似合わないですねぇ」
フブキ「余計な御世話だ」
ムサシ「1個くださいよ、これ」
フブキ「ダメ!」
ムサシ「ドケチ、良いじゃないですか」
フブキ「俺がもらってんだよ!」
ムサシ「1個くらい……」
フブキ「振るなっつーの!ダメだ…」
とんでもなく幼稚なケンカが始まった
ヒウラ「はい、そこまで!」
ヒウラの言葉に2人は取り合いを止める
ヒウラ「元気で大いに結構!ま、ケガが治ったらまた頼むぞ“春風コンビ”」
2人「春風コンビ!?」
2人は『何のこっちゃ?』という顔になり……
ミク「やっぱり笑える……」
ミクは笑いを堪えるのに必死だった
――――
移動する震源地の正体は怪獣モグルドンだった。テックサンダー随一のパワーを誇る3号による捕獲作戦を提案するドイガキ隊員だったが、自分がその担当に選ばれてしまったから、さあ大変!
3号機は彼が最も苦手とする機体だったのだ
次回【怪獣一本釣り】
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